あきらかに腟や外性器に先天的な外形上の異常が認められるときは、生まれてすぐに病院などで発見されます。治療法などについては、主治医とよく相談しましょう。
腟や外性器の形や色には、個人差があり、ほとんどは病的なものではありません。あまり心配しないようにしましょう。
処女膜が、ふつうの状態より厚く、外科的治療をしないと破れない状態をいいます。
処女膜は、腟口のすぐ内側にあるごく薄い膜で、女性ならだれにでもあるものです。膜といっても、処女膜の中央には小指の先ほどのあながあり、これによって月経血やおりものが出てきます。処女膜は、ふつうは、はじめての性交でペニスが挿入されたときやタンポンの使用、はげしい運動をしたときなどに裂けて、その後は少し広くなり落ち着きます。
処女膜が裂けるときは、痛みや出血をともなうこともありますが、それが障害になって、ペニスやタンポンなどが腟の奥まで入らないことはありません。ところが、処女膜強靭症の場合は、通常の性交などでは処女膜が破れません。
処女膜強靭症は、正常な場合と同じように、小さなあながあいているので、月経は通常どおりにあり、外見上も素人では異常に気がつきません。そのため、性交をする年齢まで気がつかないことがほとんどです。
治療は、麻酔のうえ処女膜を切開します。傷が治れば、その後は、ふつうにセックスができるようになります。
はじめての性交のときにはげしい痛みをともない、ペニスの挿入が困難なときは、婦人科を受診しましょう。無理に挿入して、性交への恐怖心を持ってしまっては不幸です。パートナーにも痛みがあることを話し、協力してもらいましょう。
処女膜や腟、子宮など女性器の一部が閉鎖している病気で、閉鎖している部分によって、処女膜閉鎖症、腟閉鎖症、子宮頸管閉鎖症などに分けられます。いずれも、ほとんどは先天的なものですが、幼児期は無症状で、外見上はとくに異常がありません。性腺などの発育は正常なので、思春期になるまで発見されることはまずありません。
ところが、思春期になって、月経がはじまると、その月経血が流れ出る経路がないので、月経血が排出されず、腟や子宮にたまってしまいます。そのため、月経周期に合わせて、はげしい下腹部痛が起こります。重症になると、排尿障害や排便障害を起こします。
思春期になって、月経がみられないのに、月経周期と同じようなサイクルではげしい下腹部痛があるときは、早めに婦人科を受診しましょう。
閉鎖の状態にもよりますが、閉鎖している部分を切開して治療します。多くはそれにより月経がはじまり、セックスなどにも支障はありませんが、なかには本来腟のある尿道と直腸のあいだを切開し、はがした腹膜を腟粘膜のかわりにして腟をつくる造腟術を必要とする場合もあります。主治医の説明をよく聞き、指示に従いましょう。
左右の小陰唇が薄い膜のようなものでつながって、癒着を起こした状態をいいます。指で左右に開こうとしても開きません。多くは、おむつ替えなどの際に大人が気がつき受診して発見されます。陰唇癒合は腟そのものの異常ではなく、ホルモン分泌なども正常にあり、機能面ではなんの心配もありません。
原因としては、出生前後に、腟や外陰部が炎症を起こしたり、なんらかの外傷で表皮がはがれたあとが癒着して起こると考えられています。
治療は、癒着しているところをはがします。外来で簡単にでき、後遺症が残る心配もありません。癒着しているところに、エストロゲン(卵胞ホルモン)軟膏を塗って自然にはがれるのを待つ方法もあります。小児科でも対応できますが、できれば婦人科を受診し、相談したほうがよいでしょう。
性器の形が男とも女ともつかず、両方の性の特徴を持っている状態をいいます。ごくまれな病気で、染色体の異常や胎児のときの性ホルモンの分泌のバランスがくずれると起こるとされていますが、はっきりした原因は不明です。
半陰陽は大きく分けると、(1) 睾丸(精巣)と卵巣の両方を持っている真性半陰陽、(2) 性腺は精巣(男性)なのに腟があったり、陰茎などが小さく女性化している男性仮性半陰陽、(3) 性腺は卵巣(女性)なのに、陰茎などがある女性仮性半陰陽があります。
生まれたときに、あきらかに外性器に異常がみられれば、染色体や尿中ホルモンの検査で診断が可能ですが、出生直後では異常に気がつかないことも多く、外性器から男性か女性に判断されたものの、思春期になって第二次性徴が現れてから、男性なのに月経がはじまったり、乳房が大きくなってきたり、女性なのにひげが生えたり、声がわりが起こるなどして、はじめて異常に気がつくこともあります。
治療は、できるだけ早く、男か女かを決め、それにもとづいて、性腺を摘出したり、外性器の形成手術を行います。ホルモン療法が必要な場合もあります。
性の決定は、性染色体を調べ、XXなら女性、XYなら男性に決めるのが最良ですが、外性器の形から無理な場合もあります。その場合は、外性器の性に合わせることになります。形成手術は、男性器より女性器に形成するほうが容易なので、真性半陰陽の場合は女性を選ぶことが多いようです。性を変更したことによって、戸籍の変更が必要になることもあります。
特殊な病気なので、こうした病気の経験が豊かな医療機関で、きちんと治療計画をたて、単に外見上の体裁を整えるだけでなく、心のケアも同時に行っていくことが肝心です。
腟や外性器の形や色には、個人差があり、ほとんどは病的なものではありません。あまり心配しないようにしましょう。
●処女膜強靱症
処女膜が、ふつうの状態より厚く、外科的治療をしないと破れない状態をいいます。
処女膜は、腟口のすぐ内側にあるごく薄い膜で、女性ならだれにでもあるものです。膜といっても、処女膜の中央には小指の先ほどのあながあり、これによって月経血やおりものが出てきます。処女膜は、ふつうは、はじめての性交でペニスが挿入されたときやタンポンの使用、はげしい運動をしたときなどに裂けて、その後は少し広くなり落ち着きます。
処女膜が裂けるときは、痛みや出血をともなうこともありますが、それが障害になって、ペニスやタンポンなどが腟の奥まで入らないことはありません。ところが、処女膜強靭症の場合は、通常の性交などでは処女膜が破れません。
処女膜強靭症は、正常な場合と同じように、小さなあながあいているので、月経は通常どおりにあり、外見上も素人では異常に気がつきません。そのため、性交をする年齢まで気がつかないことがほとんどです。
治療は、麻酔のうえ処女膜を切開します。傷が治れば、その後は、ふつうにセックスができるようになります。
はじめての性交のときにはげしい痛みをともない、ペニスの挿入が困難なときは、婦人科を受診しましょう。無理に挿入して、性交への恐怖心を持ってしまっては不幸です。パートナーにも痛みがあることを話し、協力してもらいましょう。
●鎖陰
処女膜や腟、子宮など女性器の一部が閉鎖している病気で、閉鎖している部分によって、処女膜閉鎖症、腟閉鎖症、子宮頸管閉鎖症などに分けられます。いずれも、ほとんどは先天的なものですが、幼児期は無症状で、外見上はとくに異常がありません。性腺などの発育は正常なので、思春期になるまで発見されることはまずありません。
ところが、思春期になって、月経がはじまると、その月経血が流れ出る経路がないので、月経血が排出されず、腟や子宮にたまってしまいます。そのため、月経周期に合わせて、はげしい下腹部痛が起こります。重症になると、排尿障害や排便障害を起こします。
思春期になって、月経がみられないのに、月経周期と同じようなサイクルではげしい下腹部痛があるときは、早めに婦人科を受診しましょう。
閉鎖の状態にもよりますが、閉鎖している部分を切開して治療します。多くはそれにより月経がはじまり、セックスなどにも支障はありませんが、なかには本来腟のある尿道と直腸のあいだを切開し、はがした腹膜を腟粘膜のかわりにして腟をつくる造腟術を必要とする場合もあります。主治医の説明をよく聞き、指示に従いましょう。
●陰唇癒合
左右の小陰唇が薄い膜のようなものでつながって、癒着を起こした状態をいいます。指で左右に開こうとしても開きません。多くは、おむつ替えなどの際に大人が気がつき受診して発見されます。陰唇癒合は腟そのものの異常ではなく、ホルモン分泌なども正常にあり、機能面ではなんの心配もありません。
原因としては、出生前後に、腟や外陰部が炎症を起こしたり、なんらかの外傷で表皮がはがれたあとが癒着して起こると考えられています。
治療は、癒着しているところをはがします。外来で簡単にでき、後遺症が残る心配もありません。癒着しているところに、エストロゲン(卵胞ホルモン)軟膏を塗って自然にはがれるのを待つ方法もあります。小児科でも対応できますが、できれば婦人科を受診し、相談したほうがよいでしょう。
●半陰陽
性器の形が男とも女ともつかず、両方の性の特徴を持っている状態をいいます。ごくまれな病気で、染色体の異常や胎児のときの性ホルモンの分泌のバランスがくずれると起こるとされていますが、はっきりした原因は不明です。
半陰陽は大きく分けると、
生まれたときに、あきらかに外性器に異常がみられれば、染色体や尿中ホルモンの検査で診断が可能ですが、出生直後では異常に気がつかないことも多く、外性器から男性か女性に判断されたものの、思春期になって第二次性徴が現れてから、男性なのに月経がはじまったり、乳房が大きくなってきたり、女性なのにひげが生えたり、声がわりが起こるなどして、はじめて異常に気がつくこともあります。
治療は、できるだけ早く、男か女かを決め、それにもとづいて、性腺を摘出したり、外性器の形成手術を行います。ホルモン療法が必要な場合もあります。
性の決定は、性染色体を調べ、XXなら女性、XYなら男性に決めるのが最良ですが、外性器の形から無理な場合もあります。その場合は、外性器の性に合わせることになります。形成手術は、男性器より女性器に形成するほうが容易なので、真性半陰陽の場合は女性を選ぶことが多いようです。性を変更したことによって、戸籍の変更が必要になることもあります。
特殊な病気なので、こうした病気の経験が豊かな医療機関で、きちんと治療計画をたて、単に外見上の体裁を整えるだけでなく、心のケアも同時に行っていくことが肝心です。
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