肥満妊婦 臨月 体重ごまかしています
出産(10ヶ月)の相談
Q3877:肥満妊婦 臨月 体重ごまかしています
164センチ元の体重89キロ
今は37w5dで実は体重ごまかしてます…
妊娠後期まではごまかした体重まで4キロ戻せばいいやと思っていたのですが、股関節の痛みや巨大イボ痔で動けなくなりいつの間にか最終的には+10キロも増えてました…
現在+20キロ…先生にも夫にもいえなくて死にたい毎日です
臨月に入り急に血圧も高くなってきてこのまま出産出来るのか不安です
もうどうしたらいいのかわかりません…
2018-11-16 01:04

まず、身長が164cmの人の場合
標準体重=身長の二乗×22=2.69×22=59.17 kg
となります。
つまり、妊娠前の体重89kg自体が標準体重に比べて30kgオーバーということです。高血圧・高脂血症・肝障害・耐糖能異常にかかるリスクが高い状態です。
肥満度をはかる目安として、科学的にはBMI値を使います。BMI値とは、Body Mass Indexの略で世界共通の肥満度の指標です。標準値は「22」とされ、BMI値がこれに近いほどさまざまな病気にかかるリスクが低いとされています。
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}
=25以上…太っている
=18.5~24.9…標準(理想値は22)
=18.4以下…やせている
あなたのBMI値は、体重が89kgだった妊娠前が33.1、20kg増量して109kgになった現在は40.5です。妊娠前のBMI値が標準の人の体重増加の目安は7〜12kgとされます。一方、妊娠前のBMI値が25以上の太っている人は基本的に個別対応となりますが、プラス5kg程度が一応の目安となっています。
標準体型の女性の妊娠中の体重増加の元は次のような内容です。
・胎児の体重 3.0 kg
・胎盤の重さ 0.5 kg
・羊水重量 0.3 kg
・母親の血液増 2.0 kg
・子宮・乳房 1.3 kg
・その他 3.5 kg
合 計 10.6 kg
これはBM I=22を基準にした見方です。BMIが22では、高血圧・高脂血症・肝障害・耐糖能異常などが最も低くなるという統計データから出されたものです。これ以上の増加は、その他の部分(水分=むくみ、脂肪=内臓脂肪・皮下脂肪)の増加です。
体重が重い人は運動をするのが大変なので、エネルギーを運動で消費して体重を減らすというのも難しくなります。無理に頑張ると膝や腰を痛め、かえって運動ができなくなってしまいます。体への負担を考えて水中での運動がいいでしょう。泳げないなら、水中ウォーキングでもいいのです。運動をして筋肉量が増えれば、運動によるエネルギー消費率も上がるのでまず「始めること」です。
体重が増えても、血圧が上がっても、産婦人科医は妊婦さんを放り出したりはしません。無事にお産を終わるように最大限の努力をします。嘘をついても、ごまかしても大勢の妊婦さんを診て、安全なお産に向かって努力をしている産婦人科医と助産師は、体重が基準以上に増加しているのはわかっています。
「どうしたらいいかわかりません」ではないのです。始めなければ何も変わりません。すぐに医師に正しい体重を伝え、食事や運動など、今後どうやって体重を調整していくか相談してください。あなたが努力していることがわかれば、どんなリスクがあろうとも、産婦人科医は「私たちも頑張ろう」と思えるものです。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。-
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