
1)お腹の張りについて:妊娠中にいわれるお腹の張りとは「子宮の収縮」の事です。お腹がはった様に感じられるので、そのように表現されます。しかし、ガスが溜まったり便秘の時もお腹が張ったと感じます。どのように区別するのでしょうか?
2)子宮の収縮はどうやれば判るか:子宮は筋肉で出来た袋です。その筋肉が収縮するのですから、お腹を触ってみれば固くなっているのが判ります。腕の力こぶを作った時筋肉が固くなるのと同じです。張ったような感じがする時に、お腹を触ってみて下さい。何でもない時に触った時よりも固くなっていれば子宮が収縮しているのです。
3)子宮の収縮があれば全て異常なのか:妊娠20週を過ぎるとお腹の張り(子宮の収縮)を感じる人が多くなります。もちろん例外もありますが。普通は一日に4~5回くらい(叉は7~8回)、特に歩いたりした時や夕方から夜にかけて、あるいは明け方に感じる事が多いのです。これは生理的なものです。生理的である(正常範囲のものである)事を確認するには、産科の外来で内診をしてもらう必要があります。
4)お腹の張りがあれば薬を飲まなければならないか:これが一番難しい所です。生理的なもの(正常範囲のもの)であれば薬を飲む必要はありません。子宮の収縮によって子宮口が開いたり、破水してしまうようであれば早産になってしまいます。産科の医者は早産になる心配があるかどうかを予測しなければなりません。子宮収縮の強さを陣痛計で測るか、内診をして子宮口の状態に変化があるかどうかを見なければなりません。それで早産になる心配ありという事になれば、「安静」「子宮の張り止めの薬の内服」「入院安静」「入院して点滴注射」等の処置が採られます。どの方法が必要かは診察した医者の判断に拠ります。自己判断で薬を飲むのを止めるのは、早産未熟児がうまれる原因になるので必ず産科医と相談してからにして下さい。
5)体質があるか?:子宮収縮の起こり易い体質はあるようですが、見分ける方法がありません。また次の妊娠の時に必ずそうなる訳でもありません。また妊娠前の月経の状態とは全く関係はありません。
6)基本的な事:出血以外に症状は無かったのに心配」というような事は診察した医者以外の人間には助言の仕様がありません。一般論ならばこのように説明する事が出来ますが。不安や心配はその場で尋ねて解消する様にしましょう。初めての経験なのですから、判らない事があって当然なのです。でも妊娠・出産/育児については本を読んだり経験者の話を聴いたりする努力も大切だと思います。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。