妊娠時の歯科治療

妊娠初期(1~4ヶ月)の相談

Q180:妊娠時の歯科治療

私は妊娠7週目です。最近歯が痛くて歯医者に行っていいのか、駄目なのか分からず困っています。歯医者に妊娠していることを告げれば問題なく治療してもらえるのですか?教えてください。 2003/4/11
志村真理子先生
質問者の方の、お口の中がどういう状態か、文面では判断できないので、早めに歯科医院を受診してもらったほうが良いでしょう。痛みの原因が虫歯によるものか、歯周病からくるものかで治療法が異なります。
何よりも妊娠と、虫歯は直接関係がないといわれています。一般的に、妊娠中の唾液のpH分泌量の変化や、妊婦の口腔衛生管理の低下などが複合的に関わっています。大切な赤ちゃんのため、妊婦さんご自身のためにも、日頃のプラークコントロールが何よりも重要です。

《参考》
・妊娠13週末まで(4ヶ月半)
悪阻症状(つわり)があり、精神的にも不安定で、胎児も安定せず、流産しやすい。応急処置にとどめる。
・妊娠14~27週(4ヶ月半~7ヶ月末)
胎盤が完成。胎児も安定。抜歯は可能であるが長時間の処置は避ける。
・妊娠28週以降(8ヶ月~)
子宮筋が分娩準備状態に入り、ちょっとした刺激で収縮を起し、早産につながることもあるので、応急処置にとどめる。
・X線
曝射量は僅少なので、基本的にプロテクターをきちんと着用する。撮影の主軸が子宮方向に一致する場合は、プロテクトに特に注意しなければならない。
・局所麻酔薬
歯科で使用される局所麻酔剤は、麻酔剤と血管収縮剤が通常含まれている。
歯科外来で使用される局麻剤は、大量に使用されることがないので、大きい影響は与えないとされている。血管収縮剤についても同様である。
しかし注射をするという刺激が流産を招くことがあるとするならば、妊娠3ヶ月までは避けたほうが良いとされる。また、妊娠28週(8ヶ月)以降は、子宮筋が分娩準備状態に入り、ちょっとした刺激で収縮を起こし、早産につながることもあるので、できるだけ応急処置にとどめる。
・薬物
現在、妊婦に対する安全性が完全に確立された薬剤は存在しない。その中で、抗生物質におけるペニシリン剤、セファロスポリン剤は偽害作用が少ないと言われている。しかし、妊娠中毒症などの点からも、妊婦の腎機能など十分注意が必要である

先生のプロフィール

元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。
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