
Q.肥満での体外受精は不可能でしょうか?
お恥ずかしい話ですが、超肥満で不妊治療中です。
検査の結果、両卵管閉塞で体外受精に進むしかないと言われましたが、現在体重100キロ超えの超肥満のため、痩せないと治療は不可能と言われました。
もちろん色々なリスクも承知していますので減量中ですが、年齢が37歳なので焦るばかりです。減量と同時進行で体外受精の治療を進めてもらえる病院はないでしょうか?
肥満で体外受精経験された方はやはりいないのでしょうか…
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肥満と不妊に関する、米国生殖医学会(ASRM)の公式見解は、下記の通りです。
1 多くの肥満女性および肥満男性は妊娠可能です。
2 肥満女性は、卵巣機能不全、卵巣刺激への反応不良、卵子の質が低下、子宮内膜の機能低下、出産率低下をもたらします。
3 肥満女性は、妊娠に伴う合併症の頻度が母子ともに増加します。
4 肥満男性は、生殖機能が低下する可能性があります。
5 ライフスタイルの改善が、男女ともにまず取り組むべきことで、その後適切な医療の介入(薬剤や手術)を行います。
6 Bariatric surgery = 肥満症手術(減量手術)は重要な選択肢のひとつですが、胎児への栄養を考慮し、術後1年は妊娠しない期間を設けるべきです。
一般妊娠治療(タイミングや人工授精)では肥満の悪影響があり得ますが、特に体外受精に関しての肥満の影響は否定的です。「痩せないと治療はしない」と厳しい発言をされる医師も少なからずおられるようですが、体外受精を実施する場合には、肥満を理由に治療を断る合理的なデータはありません。
日本では肥満の方はごく少数派ですが、米国では多くの方が肥満に分類されますので、この米国の公式見解は信頼に足るものだと思います。
今現在通っているクリニックでは治療できないとのことですが、ほかのクリニックで受け入れてくれる可能性はあります。ただし、不妊治療が成功しても、肥満により妊娠中にいろいろな障害が出てくる可能性はあるので、リスクを減らすためにも減量を続けながら、別のクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。
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▼ 松林秀彦先生のプロフィール
慶應義塾大学医学部卒業後、アメリカインディアナ州メソジスト病院生殖移植免疫センター研究員、東海大学医学部産婦人科准教授などを歴任し、2013年に「男性と女性を同時に診療する」コンセプトで設立した不妊センター、リプロダクションクリニック大阪院長に就任。1人でも多くの方が子どもを抱けることを目指して尽力している。
また、治療に対する夫婦の温度差、周囲からのプレッシャーといった「不妊症の心のケア」にも取り組み、さまざまなメディアで取り上げられている。
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