先月、競泳女子の池江璃花子選手が「白血病」と診断されたことが大きなニュースとなりました。同時に「何か助けになりたい」という気持ちから、骨髄バンクのドナー登録に関心を持った方も増えているようです。
なぜ多くの人にドナー登録をしてもらいたいのか
白血病や再生不良性貧血などの患者さんの造血幹細胞を、 健康な人(ドナー)の造血幹細胞と入れ替える治療法を、骨髄移植や末梢血幹細胞移植といいます。
赤血球にはA・B・O・ABの血液型がありますが、白血球にもHLA型といわれる型があります。HLA型は、きょうだい間では4分の1の確率で一致しますが、親子で一致することはまれです。そして、非血縁者の間では数百から数万分の1の確率でしか一致しません。このような理由があり、白血病などの患者さんを助けるためには、多くの人にドナーになってもらう必要があるのです。
若い方にドナー登録をしてもらいたい理由
年齢超過などでドナー登録を卒業する人が毎年2万人以上いるのにもかかわらず、20~30歳代のドナーが少ないという状況があります。
10歳代 1%
20歳代 15%
30歳代 28%
40歳代 43%
50歳代 13%
ドナー登録者総数約49万人(2018年12月末現在 参考/日本骨髄バンク)
10年後、20年後のことを考えると、20~30歳代の方の協力が重要なことが分かります。
▼登録に必要な条件
・骨髄・末梢血幹細胞の提供の内容を十分に理解している方
・年齢が18歳以上、54歳以下で健康な方
・体重が男性45kg以上/女性40kg以上の方
※骨髄・末梢血幹細胞を提供できる年齢は20歳以上、55歳以下です。
※特定の病歴のある方や、妊娠中の方は登録できません。
骨髄提供へ最終同意した場合は、通院または入院が必要となることも理解しておきましょう。
・採取の約1カ月前から検査等のために週1回程度の通院。
・骨髄採取なら3泊4日程度、末梢血幹細胞採取ならなら4泊5日から6泊7日ほど入院。
・提供がすんで退院すれば、多くの方はすぐに日常生活に戻ることができる。
ドナー登録に関心があれば、上記の条件が合うかどうかを調べてみましょう。ドナー登録は、登録受付窓口(献血ルームなど)で可能です。近くの登録受付窓口を探すには、骨髄バンクのホームページが便利です。
登録したら…
ドナー登録をして、患者さんとHLAが適合して候補者になると、日本骨髄バンクから「ドナーコーディネートのお知らせ」などの関係書類が送られてきます。登録してすぐに連絡がある人もいれば、10年以上経ってから連絡がくるケースもあるようです。
※妊娠・授乳中・出産後・流産・人工妊娠中絶後はドナーにはなれません。
自治体も助成
全国430以上の地区町村で、骨髄バンクを通じて骨髄または末梢血幹細胞を提供したドナーのための助成制度が導入されています(助成金の交付など)。助成内容は各自治体によって異なるので、直接自治体に問い合わせてみてください。
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