高齢出産の安全性についての疑問
高齢出産を不安に思う女性は少なくありません。今回の相談者(37歳女性)もその1人。
「最近、自分の周りでも高齢出産する人が増えているようです。加齢により、流産や障害などのリスクが上がることは知っていますが、安全に妊娠できるのは何歳までなのでしょうか?また、高齢出産の場合、自然妊娠と不妊治療による妊娠とで、安全性に差が出るのでしょうか?高齢出産に備えて、妊娠前からしておくことがあれば教えてください」とのこと。
高齢出産のリスクについて専門家に聞きました。
松林秀彦先生(リプロダクションクリニック大阪 院長・医学博士・生殖医療専門医)のアドバイスは…
松林先生によると、高齢出産の定義は、「1991年までは30歳以上でしたが、現在では35歳以上の出産とされています。この定義によると、現在の日本では約30%の方が高齢出産に当てはまります。もはや35歳は特別高齢ではない印象です」とのこと。
「高齢出産では、染色体異常・妊娠糖尿病・妊娠高血圧症・帝王切開の確率が高くなることが知られています」と、高齢出産にはやはりリスクがあるよう。しかし「たとえ年齢が若くて確率が低くても、妊娠出産にはリスクが伴いますので、ご質問の『安全に妊娠出産できる年齢』は明らかではありません」と、出産する年齢に関わらず安全かどうかは産むまで誰にもわからない、というのが現実のようです。
また、相談者が気にしている体外受精と自然妊娠の安全性の違いについても「2015年に米国で45歳以上の妊娠出産のリスクを検討したところ、大きな違いを認めないことが報告されています」と言います。
そのため、松林先生は「高齢出産の注意点として、特別なものはありません。妊活に良いとされている生活習慣を心がけてください」と、必要以上に高齢出産を不安がる必要はないとアドバイスします。
回答では、自然妊娠と体外受精それぞれについて、高齢出産した最高齢記録についても紹介しています。高齢出産が不安な女性は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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Q.高齢出産が不安…安全に出産できる限界は何歳まで?
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