病院にいくまで
①吐きそうなときは、吐きやすい姿勢にして
吐きけがあるときにいちばん心配なのは、吐いたものが気管に入って、窒息事故を起こすことです。
子どもが吐きそうなときは、顔を下に向けさせたり、寝ている場合なら顔を横向きにさせて、吐かせます。
また、吐きけのあるときは上半身を起こした姿勢のほうがらくになります。
図「吐くときの姿勢」
吐きそうになったら、吐いたものが気管につまらないように、顔を下向きにして吐かせます。
図「いつ吐くかわからないとき」
いつ吐いてもいいように、顔を横向きにして寝かせます。吐いたものでふとんが汚れないよう、バスタオルを用意。
②全身状態やほかの症状をチェック
子どもが吐いたら、顔色はどうか、発熱や下痢はないかなど、全身状態と嘔吐以外の症状を、まずしっかりとチェックしてください。
吐く回数が少なくても、全身状態が悪いときは急いで受診してください。
また、赤ちゃんや小さい子どもは、ときには洗剤などを誤って飲む事故を起こすことがあります。それまで元気に遊んでいたのに突然吐いたという場合は、子どもの周辺にタバコや洗剤などの容器がないかどうかもチェックを。
③吐きけが強いときは、すぐに水分を与えないで
吐きけが強いうちに水分を与えると、それが刺激となって、よけいに吐きけをもよおします。
嘔吐があっても、すぐには脱水症状を起こしませんから、病院にいくまではむやみに水分を与えないことです。
また、子どもが元気で自宅でようすをみる場合も、3時間ほどはなにも与えないようにしましょう。心配のない嘔吐なら、それだけで吐きけがおさまることもあります。
病院にいくとき
①嘔吐に備えて、ビニール袋や着替えを持参
病院にいくまでのあいだや、病院の待合室などで子どもが吐くことも考えて、ビニール袋やタオル、着替えなどを持参して病院に向かいましょう。
病院から帰ったら
①医師の指示にしたがって、吐きけがおさまるまでは、なにも与えないで
嘔吐が強い場合には、吐きけ止めの点滴や坐薬などの処置を受けて、「帰ってからも○時間はなにも与えないように」と指示されます。医師の指示を守って、吐きけがおさまるまでは水分もひかえて、胃腸を休ませます。
②吐きけがあるうちは、横向きに
吐いたものが気管につまらないように、顔を横に向けて寝かせましょう。
③汚れた衣服や寝具はすぐに替えます
吐瀉物のにおいは、吐きけを誘います。嘔吐をしたら、衣類や寝具を替えてさっぱりと。うがいのできる年齢なら、口をすすがせましょう。
④吐きけがおさまったら、少しずつ水分を与えます
一度にたくさんの水分を与えると、吐きけを誘発します。水分補給は、吐きけがおさまってから、ようすをみながら少しずつこまめに行うことが大切。
小さな赤ちゃんなら最初は湯ざましなどで唇を湿らす程度からはじめ、幼児以上の年齢なら、スプーン1杯程度の水分補給からはじめます。
15分ほどようすをみて、吐かないことを確認してから、つぎの水分補給を。これをくり返しながら、徐々に水分量をふやしていきましょう。
⑤水分補給は、湯ざましや番茶、乳幼児用イオン飲料などで
柑橘系やピーチジュース、牛乳は、吐きけをひどくするので避けます。
湯ざまし、番茶、乳幼児用イオン飲料などを、こまめに与えてください。
図「小さな赤ちゃんなら」
小さな赤ちゃんの水分補給は、最初は唇をぬらす程度から。吐かないようなら、水分の量を徐々にふやし、こまめに与えます。
⑥母乳が飲めるなら、少しずつ与えても。離乳食はひかえます
赤ちゃんの場合、母乳は少しずつ与えてもかまいません。ミルクの赤ちゃんは、吐きけがおさまるまでストップしますが、再開するときは、ようすをみながら少量ずつ与えます。離乳食はしばらくのあいだ休んでください。
⑦水分がとれるようになり、食欲がでたら、食事は「おもゆ」(ごく薄い、のり状のおかゆ)から
食事は、胃腸に負担をかけないように、おもゆやみそ汁、スープのうわずみからはじめます。乳製品は吐きけを誘うので、ポタージュ類は避けましょう。赤ちゃんや幼児は、赤ちゃんせんべいなどを与えてもよいでしょう。
⑧熱がなければ、簡単な入浴はOK
熱があるときは、体をふいてあげますが、熱がなければシャワーを浴びたり、さっと入浴するくらいならかまいません。赤ちゃんは、おむつかぶれを起こしやすいので、1日1回、座浴でおしりをきれいにしてあげてください。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。