いきなり大人と同じ食事にせず、発達をみながらすすめましょう
離乳食が完了すると、固形食がとれるようになります。しかし、幼児期はまだ消化吸収などの機能が未成熟なので、いきなり大人と同じにするのは早すぎます。離乳食から引き続き、咀嚼力や消化能力に応じて、段階を追ってすすめていきましょう。それと同時に、スプーンやはしなどの使い方、食事前後のあいさつなどのマナー、手洗いなどの清潔の習慣も身につけていきましょう。幼児期に身についた食習慣は、一生の食生活に大きな影響を与えるといわれています。
1日4食を規則正しくとり、生活のリズムをととのえます
幼児期は一度に食べられる量がまだ少ないので、間食を含めた1日4食で必要な栄養をとるようにします。好きな時間に好きなものをだらだら食べるのではなく、食事時間を決めて、規則正しくとるようにします。それによって、外遊びやお昼寝の時間もだんだん決まってくるので、生活のリズムがととのえられ、いつも適度におなかのすいた状態で、食事をとれるようになります。
食具を自分で使えるように
食具とはスプーンやフォーク、はしのことです。スプーンは離乳食の後期から持ちたがるようになるので、使えなくても持たせます。
1歳半ごろからスプーンやフォークが、徐々に使えるようになります。まだこぼしたり、手づかみのことも多いですが、汚されてもいいようにくふうし、十分に手づかみやひとりで食べる経験をさせましょう。
2歳をすぎると、スプーンやフォークがだいぶ使いこなせるようになり、3歳ごろからはしを持ちはじめ、5歳ごろまでに使えるようになります。
食事のマナーと衛生面のしつけをします
幼児期の食事は、しつけの場でもあります。食事前の手洗いなど、衛生面でのしつけをし、食事の前後のあいさつを行い、食事中はテレビを消して楽しい雰囲気で食べるようにします。
こぼさないなど、じょうずに食べるようしつけることも大事ですが、3歳ごろまではおおめにみて、食事中にうるさくいわないようにします。食事のしつけのモデルは親です。親が率先して、正しいマナーの例を示しましょう。
また、徐々に食事の準備や片づけのお手伝いもさせます。
かむ練習は3歳ごろまでに完了
咀嚼の機能は、3歳ごろまでにはほぼ安定した発達をするので、食べ物の大きさやかたさを徐々に変えて、かむ練習をしていきます。じょうずにかめないときは、ひと口の量が多すぎる、食べこぼしを気にしすぎる、水分といっしょに飲み込んでいる、急がされている、食べ物がやわらかすぎるといったことがないか気をつけます。パンや果物を利用し、ひと口の量をかみ切る練習などをします。
動物性たんぱく質・脂肪のとりすぎに注意します
幼児期の栄養のとり方で気をつけたいのは、動物性たんぱく質食品をふやしすぎないことです。動物性脂肪のとりすぎは、肥満につながります。
乳児期の肥満は生理的なものですが、2歳をすぎるころから肥満していくのは「たちの悪い」肥満で、将来、生活習慣病につながる可能性があります。
野菜、大豆製品、魚などを多く含む和食の献立を心がけましょう。
小食でも健康に成長していれば問題ありません
食事量の個人差は大きく、また同じ子でも、日によって運動量の差があるので、食事量も変わります。食事量が少なく、やせていたり小がらでも、健康に成長していれば問題ないでしょう。
心配であれば病院に相談しますが、たいがいは生まれつきのものです。むりに食べさせようとすると、食欲不振を起こすこともあるので、食事の強制はしないように注意します。
おやつ(間食)は必要ですが内容を考えて与えます
幼児にとってのおやつは、栄養面の補充として必要です。また、食事とはちがった楽しみでもあります。おやつは必要なものですが、スナック菓子や甘いお菓子、ジュースなどを、ほしがるままに与えているようなら問題です。1日に必要なエネルギーをオーバーして肥満をまねき、食事をとる量が減ると栄養のアンバランスを起こします。また、むし歯もできやすくなります。
望ましいおやつは甘みや塩味の少ないものです
おやつは1日1回または2回、時間を決め、牛乳、乳製品、卵、果物、野菜、イモ類を中心に与えます。市販のおやつを与えるときは、甘みや塩味の少ないものを選び、それをメインとしないこと。ジュースや清涼飲料水も、与えるなら量を決めて少なめにします。
栄養補助ドリンクなどは毎日与えないようにしましょう
各種の栄養素が強化された栄養補助ドリンク、水分補給のためのイオン飲料、甘みの強い乳酸飲料などを体にいいと思い、子どもに毎日与えているお母さんもいるでしょう。
これらの飲料は病気や食欲がないときの手助けにはなりますが、健康なときは必要ありません。かえって糖分などのとりすぎになり、甘みに慣れさせてしまうことになるので、毎日与えるのはやめましょう。
むし歯がふえる時期なので甘味の与え方に注意します
むし歯は、食事としてより、間食としてとる砂糖の量が多かったり、少量でもひんぱんにだらだらとることで発生します。ですから、おやつは時間を決め、なるべく甘みをおさえたものにし、食後に歯みがきをするよう習慣づけることが大事。ジュース、清涼飲料水などをひんぱんにとるのもよくありません。
表「幼児食のすすめ方」表「1日の食事量のめやす」
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