乳児期(1〜4か月)の体・生活習慣の心配と対処法(にゅうじきいちからよんかげつのからだせいかつしゅうかんのしんぱいとたいしょほう)

★鼻がつまって、おっぱいが飲めない

 赤ちゃんは生後3か月までは舌やのどの構造が未発達で口でじょうずに呼吸することができません。そのため、鼻がつまるとおっぱいを二口ぐらい飲んだあと苦しくなって、乳首を放してしまいます。おなかはすきますからふきげんになり、眠ることもできません。
 こんなときは、急いで鼻汁を取り除いてやります。口で吸ってやるとよいといいますが、赤ちゃんがいやがるし、なかなかうまくいかないのがふつうです。むしろ、薬局などで手に入る鼻汁吸い器などの器具を使ったほうがよいでしょう。とくに苦しがるのは鼻の奥のほうがつまった場合ですが、鼻汁吸い器がうまく使えないときは小児科で指導を受けましょう。

★寒い季節のベッドの置き場所は?


 大人とちがって、冷え込むと赤ちゃんの体温はたちまち下がってしまいます。とくに冬の夜、赤ちゃんが寝ている場所の温度の管理は大事です。部屋の真ん中と窓ぎわでは温度が6〜7度ぐらいちがい、冷たい空気が窓の上からヒューと下りてくることがあります。
 赤ちゃんがかぜ気味のときに、この冷気にあたっていると、体温が下がって代謝が悪くなり、寒冷障害や肺炎を起こして重症になりがちです。寒い季節はベビーベッドをできるだけ部屋の真ん中か窓のないあたたかな壁ぎわに置いて、赤ちゃんを寝かせましょう。

★抱きぐせが心配


図「無題」
 だっこをしてあげる時間があるなら、抱きぐせがついてもかまいません。お母さんが働いているなどで、十分抱いてやれないので抱きぐせをつけたくないというときは、すこし泣いても抱くのをがまんしましょう。かならず赤ちゃんは理解してくれるはずです。あんよがはじまれば抱きぐせはなくなります。
 ただし、自分が大好きな人にくっついていたいというのは子どものごく自然な欲求なので、それ自体は悪いことではありません。お母さんがそれだけ子どもに愛されているということです。

★向きぐせがついてしまった


 筋性斜頸(「筋性斜頸」)とまちがえないようにしなくてはなりませんが、向きぐせは赤ちゃんにはめずらしくありません。片方しか向かないなら、できるだけまくらを反対側に置いて、体の向きも変えてあげましょう。自然に治ります。
 向きぐせの場合に注意したいのは向いている方向に涙やよだれ、吐いたお乳などが流れ、そちら側の皮膚が荒れることです。耳もジクジクしたりしますので、ときどきまくらやシーツをチェックして汚れを拭いてやります。

★下痢便が緑色


 下痢便にかぎらず、腸の中にガスがいっぱいたまっていると便は緑色になりますが異常ではありません。お乳やミルクを飲むときに、空気をたくさん飲み込む赤ちゃんは、腸の中で便と空気が混ざり、緑色の便をします。
 おならをさかんにする子、げっぷをよくだせない子は便が緑色になりがちです。きげんが悪い、回数が異常に多い、いつもとちがって便のにおいがツーンと刺激的だ、などがなければ心配いりません。便の色は、赤、黒、白以外は、まず問題ないでしょう。

★あせもがひどい


図「無題」
 赤ちゃんは汗っかきですから、冬でもあせもができることがあります。暖房のきいた部屋が多くなり、あせもは夏だけのトラブルではなくなりました。あせもの予防は、皮膚を清潔に保つことが大切で、細かいプツプツを見つけたら石けんで洗ってみましょう。消えないなら、あせもではないかもしれません。湿疹なら塗り薬が必要になることがありますから小児科へ相談を。

★おへそが飛び出している


 臍ヘルニア(「臍ヘルニア」)の場合は、泣くとおへそが大人の親指かピンポン玉ぐらいの大きさまで、プーとふくれることがあります。さわるとぐにゅぐにゅした感じです。これはへその緒がでた残りの部分にまだ筋肉がつまっていなくて、腸が入り込んでいるためです。昔は矯正器具やコインをあてるなどしたようですが、なにもしなくても自然によくなることがわかってきました。

★寄り目


 3か月ぐらいまでは、ときどき目が鼻のほうに寄ってくることがありますが、ほとんど心配いりません。
 問題なのは、常に片方の黒目は目の真ん中や耳側にあるのに、一方は鼻のほうに寄っている場合です。片方の目しか使わないと、もう一方の目の視力が育たなくなることがあります。できるだけ早く眼科の専門医を訪れて診察を受けてください(「斜視」)。

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