高齢期後期（75歳以上）（こうれいきこうきななじゅうごさいいじょう）

視力、聴力、反射神経が低下します

　肉体的老化はすすんできます。しかも、それは日々、目に見えてやってくるものではなく、知らないうちにすすんでいるのです。ある日、気づくと目も悪くなっている、耳も聞こえが悪くなっている、また、いままではつまずいたりしなかったところでつまずいたり、といった感じです。こうした加齢による変化は、日ごろの生活の内容によって、それを遅らせることは可能です。

衰えを自然なことと受けとめて

　肉体だけを見るならば、細胞は日々衰えていき、免疫力も落ち、病気にかかりやすくなっています。それに加えて、からだの部位を支える骨や歯も、もろくなっていきます。
　ただ、肉体的衰えは、個人差が非常に大きいものです。バランスのとれた節度ある食生活、適度な運動など、生活に気づかった日々を送ってきた人の多くは元気な高齢期をすごしています。
　たしかに衰えはありますが、それはごく自然なことです。現在の体力に応じて動き、気力を維持し、生きがいを持って過ごしたいものです。若い時期からの健康管理が、このときにこそ花開くのではないでしょうか。

前向きの生活で平穏に楽しく

　若いころの心身の頑健さをなつかしんでばかりいると、先々に希望が持てなくなります。どんなに高齢になっても、過去に目を向けるのではなく、「カキクケコ」の気持ち（更年期前期（45～50歳ごろ））で前向きに明るく生活しましょう。
　明日はこれがしたい、これをしてみようというような、活発で活動的な気力を持ち、くよくよせずに、健康的で、好奇心とおしゃれ心を失わなければ、高齢期は楽しい時期になります。

うしろ向きだと、孤独で張りのない生活に

　記憶力などが低下するのは、しかたありません。しかし、肉体的な老化が原因で意欲の低下につながらないようにしたいものです。周囲に必要とされていることを実感できる仕事や、打ち込める趣味などを持ちましょう。
　積極的にいろいろな集まりに参加することで世界が広がります。いままでの経験ばかりをふりまわすことなく、協調性をたいせつにしていきましょう。

先のことを心配しすぎず、日々の充実を

　どんなに健康に気づかっていても、人生は予測できないものです。しかしだからといって、心配ばかりしていてもしかたがありません。ある程度、自分の今後の生活を計画しつつ、毎日の生活が楽しく、充実したものになるようにしていきましょう。