どんな病気?
どちらも食道の粘膜がただれる病気です。同じ原因で炎症が起きても程度によって呼び方がちがい、食道潰瘍は食道炎のなかでも炎症がひどく粘膜が腫れてくる場合をいいます。
食道が炎症を起こす原因は、細菌や真菌(カビ)の感染、農薬の誤飲、病気の治療薬の影響などさまざまです。よくみられるのは逆流性食道炎ですが、高齢の女性では、食道裂孔ヘルニアが原因で生じる食道炎もみられます。
逆流性食道炎
どんな病気?
胃液や十二指腸液が胃から食道に逆流して起こります。胃液は強い酸性なので、食道に長くとどまると粘膜に炎症ができてしまいます。
症状
胸やけ、食道の下のほうの痛み、嚥下障害(食べ物を飲み込みにくい)がおもな症状です。進行すると、食道狭窄を起こし、食べ物がのどを通らなくなります。食道潰瘍の場合は吐血をしたり、貧血を起こすこともあります。
原因
食道と胃の境目にあって、胃から食べ物や胃液が逆流してくるのを防ぐはたらきをしているのが噴門です。この噴門に障害が起こり、十分に機能しなくなるために起こります。
手術で胃を切除した人や、高齢者、とくに肥満ぎみの年配女性によくみられます。女性はもともと男性にくらべて括約筋のしまりが弱く、太っていると腹圧が高くなるので、胃袋が圧迫されて、胃液や十二指腸液の逆流が起こりやすくなるのです。
治療
まず食事や日常生活の改善が必要です。症状を悪化させる肥満(腹圧上昇)や便秘の解消を心がけ、食べ物では酸分泌をうながす肉やアルコール、すっぱいものを避けるようにします。
寝るときは、上半身をやや高くし(座布団1~2枚分)、からだの右側を下にして寝ると、胃の出口が右側にあるので、胃液の逆流が防げます。
薬は、胃の運動を促進するもの、胃液の分泌を抑えるものなどが有効です。
こういった方法で治らない場合は、手術をすることもあります。
食道裂孔ヘルニアによる食道炎
どんな病気?
食道が横隔膜を貫通しているあな(食道裂孔)から、胃の一部が胸の中にはみ出した状態を食道裂孔ヘルニアといいます。胃の内容物が食道に逆流して起こります。
症状・治療
逆流性食道炎と同じです。症状がひどい場合は、手術で食道裂孔をせまくして、ヘルニアが起こらないようにします。
あなたへのひとこと
肥満の人が便秘をしていて、胸がやけるような症状があれば、この病気を疑ってみます。心臓の病気で同じような症状がでることもあるので注意が必要ですが、胃酸の分泌を抑える薬を飲んで、すぐに症状が軽くなるようなら食道炎です。
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