心因性頻尿(しんいんせいひんにょう)

どんな病気?


 病気がないのに、日中、目がさめている時間の排尿回数が極端に多い場合、この病気が診断されます。
 健康な人では、ふつう膀胱に100~150mlの尿がたまると、軽く尿意を覚えます。しかし膀胱壁は伸びるので、就寝中などは400~500mlの尿をためることができます。だいたい1回の尿量が200~350mlで、1日に4~8回トイレにいき、合計1200~2000mlの排尿があるのが正常のめやすです。
 心因性頻尿になると、1回の排尿量が少量で、1日10回以上の頻尿になります。20~30歳代の若い女性に圧倒的に多くみられる病気です。

症状


 (1)トイレにいけないような状況のときにかぎって強い尿意を感じる(会議中、授業中や試験中、電車やバスに乗ったときなど)、(2)夜眠っているあいだトイレに起きることはほとんどない、(3)朝起き抜けに、尿がたくさん出る、(4)休日、家でリラックスしているときはトイレの回数がそれほど多くない、などが特徴的な症状。頻尿がひどいわりには、失禁はみられません。

原因


 からだには異常がないので、心理的な原因で頻尿という身体症状が現れているだけです。誘因は人によってさまざまですが、職場での人間関係や仕事の悩みなどからくる情緒不安定や家庭内不和などがあります。

治療


 毎日の水分摂取の時間と量、排尿時間と量を細かく記録する排尿日誌をつけます。それを医師がチェックした結果、夜の就寝中には一度もトイレに起きないで、朝一番の尿がたくさん出ていることなどがわかると、患者さんは膀胱の病気でないと納得し、治るケースが半数くらいあります。それでも気になる人には、精神安定剤や弱い抗うつ剤を処方することもあります。
 さらに精神的な治療が必要と思われる場合は、心療内科や精神科の受診を勧めます。

あなたへのひとこと


 信頼できる泌尿器科の専門医に診察を受けましょう。からだに異常がないという医師の説明をよく理解して、納得することが大事です。休日は運動するなどして気分転換をはかります。精神的な悩みを解決することが、この病気の治癒につながることも認識しておきましょう。
 泌尿器科で治らないときは、心療内科や精神科を受診するのも方法です。

ベビカムは、赤ちゃんが欲しいと思っている人、妊娠している人、子育てをしている人、そしてその家族など、妊娠・出産・育児に関して、少しでも不安や悩みをお持ちの方々のお役に立ちたいと考えています。
本サイトは、妊娠・出産・育児に関して、少しでも皆さまの参考となる情報の提供を目的としています。

掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

関連するキーワード

心因性頻尿 頻尿 トイレが近い 尿 尿意 排尿 心理的 悩み 情緒不安定 精神安定剤 抗うつ剤 心療内科 精神科 泌尿器科
ベビカム医学大辞典
powerd by babycome