どんな病気?
血管がもろくなったり、止血作用のある血小板が減少するために出血しやすくなり、皮膚や粘膜に内出血による紫色のあざ(紫斑)ができる病気を紫斑病(特発性血小板減少性紫斑病のほかに、アレルギー性紫斑病、単純性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病など。若い女性に多く、ぶつけたようなあざができる単純性紫斑病はとくに治療を必要としません)といい、その代表ともいえる病気です。血小板に対する抗体がつくられ、その寿命が通常より短くなり、血小板の数が減少します。
症状
皮膚や粘膜に紫斑ができます。特徴的なのは両下肢などにみられる点状出血(小さな赤い斑点模様の出血)。歯肉出血、鼻出血、血尿のほか、性器出血や過多月経がみられます。
これらの症状が急激に起こってくる急性のタイプ(急性ITP)と、徐々に起こってくる慢性のタイプ(慢性ITP)があります。
急性型は子どもに多く、はしか(麻疹)などのウイルス感染症に引きつづいて発症することが多いものです。自然に治ったり、治療でも効果がでるので、多くは半年以内で治癒します。しかし、治らずに慢性型に移行するケースもみられ、重症になると、消化管や頭蓋内での出血を起こして、生命にかかわります。慢性型は思春期以降の女性に多くみられ、ゆるやかに症状が現れるので、発病の時期がはっきりしません。
検査
末梢血検査、血液凝固検査、骨髄検査などをして診断をつけます。
治療
急性ITPの多くは、自然に血小板がふえて治癒します。血小板の減少が著しく、出血がつづくときは血小板の輸血や副腎皮質ホルモンを用います。慢性ITPは、最初から副腎皮質ホルモンを内服します。これで効果がでないときは、古い血小板はおもに脾臓で処理されるので、手術で脾臓を摘出して血小板の寿命を延ばします。
あなたへのひとこと
出産時では母子ともにリスクを負うことになり、抗体が臍帯から胎児へと移行して胎児にも血小板減少が現れたりします。専門医の治療のもとで出産にのぞみます。
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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。