エイズの母子感染率は約30%といわれ、感染ルートは、(1) 子宮内での感染、(2) 分娩時の産道感染(赤ちゃんが産道を通過するときに、産道にいるウイルスや細菌が、目や口などの粘膜を通じて感染します)、(3) 産後の母乳感染、の三つがあげられます。なかでも、子宮収縮で母体の血液が胎児側に流入しやすくなる妊娠35週以降の時期から、分娩時にかけて、もっとも感染の可能性が高くなるといわれています。そのため日本では、多くの場合、35週前に帝王切開が行われます。アメリカでは、妊娠中に逆転写酵素阻害剤(AZT)という薬の投与で、かなりの確率で感染率が下がるという研究結果をもとに、HIV感染妊婦に対して、AZTの投与が奨励されています。
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