外陰部ベーチェット病(がいいんぶべーちぇっとびょう)

注意したい年代


30代、40代。

どんな病気?


 ベーチェット病シェーグレン症候群)は、口内炎ぶどう膜炎、視力の低下など、全身にさまざまな症状がくり返し現れる難病です。女性の場合、外陰部に潰瘍ができるものを外陰部ベーチェット病といい、痛むのが特徴です。なお、ベーチェット病は、国の特定疾患に指定されていて、治療費の一部が公費で補助されます。

かかりやすい人


 ベーチェット病は、ある種の遺伝要因のある人のほか、日本から中近東、地中海沿岸地域に発症する人が多いという地域的なかたよりもあるようです。しかし、それだけが特定要因でもありません。原因が不明なだけに、かかりやすい要因を特定するのはむずかしいのです。日本では、30~40歳代に多くみられます。

原因


 ウイルスが原因とする説のほか、遺伝的な素因やアレルギー、自己免疫疾患などが疑われていますが、はっきりした原因は不明です。

症状


 一般的には、口の中→皮膚→外陰部→目→その他の部位、の順に現れます。それぞれの部位に出る潰瘍や炎症、発疹などの症状のほか、全身が疲れやすいのも特徴です。
 外陰部の症状としては、小陰唇や大陰唇などの外陰部に深さ5~10mmの深くえぐれた潰瘍ができて痛みます。

診断


 問診などから、外陰部をみるといくつか潰瘍が見つかります。そのほか、血液検査で炎症反応をみたりします。ベーチェット病の診断には、4つの特徴的な診断基準((1)口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍、(2)皮膚症状(結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、毛嚢炎様皮疹)、(3)眼症状(虹彩毛様体炎、網膜ブドウ膜炎)、(4)外陰部潰瘍)があるので、それらもあわせて、総合的に診断します。

治療


 現在のところベーチェット病を根本的に治す方法はないので、症状に応じて治療を行うしか方法がありません。鎮痛剤や消炎剤で痛みをやわらげたり、炎症を抑えます。薬は内服する場合もあれば、潰瘍に直接塗ることもあります。ほかに、免疫抑制剤やステロイド剤を使うこともあります。
 薬による治療のほか、外陰部を清潔に保つことも重要です。

あなたへのひとこと


 難病に指定されていることからもわかるように、治療は長引き、婦人科だけにとどまらず、眼科や内科など、複数の専門医のもとでそれぞれの症状に応じて治療が必要になるなど、たいへんな病気です。
 現在、いろいろな研究がすすめられているので、今後に期待し、いまのつらい症状をできるだけ軽くする治療法や薬について、医師と相談しながら対処していきましょう。
 また症状は、現れたり、治ったりをくり返すことが多いので、症状が現れていないからといって無理をしないように気をつけましょう。慢性の病気なので、ストレスをつくらない生活とバランスのよい食事を心がけて、体力を維持しましょう。

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掲載された情報を参考に、気になる症状などがあれば、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

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