子宮筋腫の手術法のいろいろ（しきゅうきんしゅのしゅじゅつほうのいろいろ）

◆経腟手術

●子宮鏡下切除（TCR）

どんな手術か
　子宮口を広げて、子宮鏡を腟から挿入し、電気メスなどで、患部を切除したり、止血する方法。
手術時間のめやす
　約1～2時間
退院までのめやす
　1～2週間
メリットとデメリット
　開腹しないので、下腹部に傷が残らず、出血量も少なく、回復も早くなる。
　腟から筋腫や子宮を摘出するため、筋腫が大きいときや数が多いとき、子宮が周辺と癒着している場合などは、腟式手術を行うことが困難。

●捻除（切除）

どんな手術か
　子宮口からたれ下がっている筋腫を腟から器具を入れてねじり取る方法。
手術時間のめやす
　約1～2時間
退院までのめやす
　1～2週間
メリットとデメリット
　開腹しないので、下腹部に傷が残らず、出血量も少なく、回復も早くなる。
　腟から筋腫や子宮を摘出するため、筋腫が大きいときや数が多いとき、子宮が周辺と癒着している場合などは、腟式手術を行うことが困難。

●腟式子宮全摘出術

どんな手術か
　腟のいちばん奥を切開し、子宮を摘出する方法。原則として経産婦に対して行われる。
手術時間のめやす
　約1～2時間
退院までのめやす
　1～2週間
メリットとデメリット
　開腹しないので、下腹部に傷が残らず、出血量も少なく、回復も早くなる。
　腟から筋腫や子宮を摘出するため、筋腫が大きいときや数が多いとき、子宮が周辺と癒着している場合などは、腟式手術を行うことが困難。

◆開腹手術

●腹式子宮筋腫核摘出術

どんな手術か
　開腹して筋腫を一つひとつ取り除き、その後、糸でしばって修復する方法。
手術時間のめやす
　約1～2時間
退院までのめやす
　1～2週間
メリットとデメリット
　子宮は残すので、将来の妊娠・出産が可能。ただし、小さな筋腫まで取りきれずに再発する可能性が高い。

●腹式子宮全摘出術

どんな手術か
　開腹して子宮全体を摘出する方法。開腹の方法は、横に切る方法と縦に切る方法がある。
手術時間のめやす
　約1～2時間
退院までのめやす
　1～2週間
メリットとデメリット
　子宮を摘出するので、筋腫や内膜症のつらい症状から解放され、子宮がんの心配もなくなるが、妊娠、出産がのぞめなくなる。

◆腹腔鏡下手術

●腹腔鏡下手術

どんな手術か
　内視鏡の一種の腹腔鏡を入れ、おなかの中をモニターに映しながら、操作鉗子で手術を行う方法。ほかの手術の補助的に使われることも多い方法。
手術時間のめやす
　約1～2時間
退院までのめやす
　1～2週間
メリットとデメリット
　開腹しないので、下腹部に傷が残らず、術後の回復も早くなる。
　視野がせまく、鉗子で操作を行うため、細かい操作はむずかしく、場合によっては、途中から開腹手術に切り替えることもある。
※筋腫の大きさなどの症状によっては、かならずしも希望する方法が適用できない場合もあります。