子供との外出、消極的になっています
子育て期(生後1歳7ヶ月~2歳)の相談
Q3724:子供との外出、消極的になっています
2歳の女の子の母です。
娘は言葉の遅れや多動などがあり、発達がグレーゾーンというか、発達障害があると思われます。
遊び場に行くと人との距離をとれなかったりするので、お友達のおもちゃを取ってしまったり、積み木を崩したり、、
本人は悪気なくやっているようで、駄目だよと教えてもあまり伝わっていないようです。
目を離さずにみていても起こってしまうので、相手のお母さんは大丈夫ですよと言ってくださる方が多いのですが、申し訳なくなってしまって逃げるように帰ります。
子供がたくさんいるところに行くと、娘の発達の遅れが気になって、涙が出そうになり、歯を食い縛りながら買い物しています。
ご近所にも同じ歳の子がいらっしゃって、話し声が聞こえてきたりするのもしんどくて、お散歩してまた悲しい気持ちになりたいくないと思ってしまいます。
どうやって気持ちを切り替えたらいいでしょうか? 2018-09-07 06:33

自分の子どもが、その行動のために人に迷惑をかけているようで、とてもつらく感じておられるのですね。
まずお母さんにお伝えしたいことは、2歳の子どもであれば、こういう行動は、別に発達に遅れがなくても、ふつうだ、ということです。2歳の子どもは、まだうまく他人と関わることができません。ある意味、自己中心的な世界で生きているので、友達のおもちゃを取ってしまったり、人の迷惑を考えずに自分の思い通りに行動したりするのが、この年齢の子どもの特徴です。
むしろ、2歳の子どもに大切な発達課題は、自分の興味関心に基づいて行動する、ということなので、そういう意味では、好奇心旺盛で、ちゃんと発達課題をクリアしておられる、と言えます。周りのみなさんも、そういうこと(要するに、この年齢の子どもは、まだ人とうまく関われないということ)がわかっているので、「大丈夫ですよ」と言われているのだと思います。
もちろん、2歳を過ぎれば、「人のものを勝手に取ってはいけないよ」「人のものを壊してはいけないよ」ということは少しずつ教えていく必要はありますが、教えた通りに行動できるのは、3、4歳を過ぎてからのことで、この時期には教えた通りに、できないのがふつうです。
言葉の遅れや多動を気にしておられるようですが、言葉の発達も個人差があり、あとからぐっと伸びてくる子もあります。多動というのも、2歳児であれば、落ち着きがないのがふつうです。同じ年齢の他のお子さんと比較すると、遅れているようで不安になられるのだと思いますが、一般的な2歳児の行動としては、それほど遅れているとは思えません。どうしても不安であれば、地域の保健センターの保健師さんに相談されてもよいと思います。きっと同じことを言われると思います。
「子育ての悩みのほとんどは、年齢とともに解決します」と私はよく言っています。現在、子どもがこのような行動を取っているのは、子どもに問題があるのでもなく、また親の育て方に問題があるのでもなく、まだそういう年齢だ、ということです。もうすこし年齢が行けば、今できないことも必ずできるようになります。
「あの時はあれだけ心配していたけれど、成長したら自然とできるようになった」という時が必ず来ますから、それまで、周囲の助けも借りながら、子育てしていって頂きたいと思います。
病院での診療のかたわら、子育て支援を強く提唱し、年100回以上の講演を実施している。著書である『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)は、シリーズで450万部超。
先生のプロフィール
京都大学医学部卒業後、国立京都病院内科、名古屋大学付属病院精神科を経て現職。児童相談所嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。病院での診療のかたわら、子育て支援を強く提唱し、年100回以上の講演を実施している。著書である『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)は、シリーズで450万部超。
-
キーワードを入れて、その他の相談を検索!