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帝王切開に急遽変更する事は多いのでしょうか。

出産(10ヶ月)の相談

Q4296:帝王切開に急遽変更する事は多いのでしょうか。

もともと、逆子になりやすかったのですが、先日は結構大きくなっていて、大きく育ちすぎると帝王切開の可能性もある、と言われました。 普通分娩だとばかり思っていたのですが、心の準備が必要になりそうです。 どうなるか分かりませんが、もし帝王切開になった場合、入院の準備で気をつけた方がいい事というのはあるのでしょうか? 普通分娩が良いのですが、こればっかりはわからないので、出来る準備をしておきたいと思います。 2019-06-29 23:18
秋葉和敬先生
骨盤位(逆子)でもなく、これまでの健診でも順調といわれていたのに、36週を迎えて初めて帝王切開の可能性を医師に話されたとのこと。確かに、このタイミングでの急な変更に驚かれるかもしれません。 帝王切開は、開腹手術で子宮を切開して赤ちゃんを元気な状態で取り出す、お産の最終手段ですが、国内での帝王切開率はこの30年間で10%から20%と約2倍に増えていて、5人に1人は帝王切開分娩となっている時代です。 この帝王切開率上昇の背景には、高齢妊娠の増加・合併症妊娠(ハイリスク妊娠)の増加・産科施設の要因(麻酔科医の減少、医療訴訟の増加)など、さまざまな原因があり、診療所より病院、一般病院より周産期センター・大学付属病院の方が、明らかに高い傾向にあります。ただし、お産する施設の帝王切開率は、患者さんご自身が帝王切開となる確率とは異なる(帝王切開率が高い病院だからといって、みんな帝王切開になるわけではない)ということも理解しておく必要があります。 現時点で、必ず帝王切開となるのは骨盤位(逆子)・前置胎盤・子宮手術の既往(子宮筋腫の手術など)、ほぼ帝王切開となるのは既往帝王切開・多胎妊娠、ケースバイケースなのは妊娠高血圧症・胎児発育不全・胎児機能不全・児頭骨盤不適合(疑い)などが挙げられます。 この「児頭骨盤不適合」が、「大きく育ちすぎると帝王切開の可能性がある」という理由であり、150cm未満の低身長の方が4000g以上の赤ちゃんを出産する状況は確かに難産のイメージがあります。しかし、陣痛・産道・胎児および付属物(臍帯・胎盤)を分娩の3要素と呼び、この3要素が見事にシンクロナイズして、上記の方でも無事に普通分娩となることも出産の現場ではしばしば見られます。 帝王切開となった場合の心の準備として、第一に、帝王切開もお母さんが赤ちゃんのためを思って選んだ立派な分娩だと自信を持ってください。そして、陣痛が開始していない状態で帝王切開により生まれた赤ちゃんは、外界に適応するのに少し時間が必要だということも覚えていてください(陣痛という目覚まし時計の鳴っていない状態で、急に外に取り出された赤ちゃんをイメージしてみてください)。 産後の入院期間は、普通分娩で4〜5日間、帝王切開で6〜8日間程度が一般的であり、最近では手術当日からの授乳、翌日からの歩行も多くの施設で行われています。入院準備に関しては普通分娩と帝王切開との大きな違いはないかと思われます。弾性ストッキングなどの購入を指示される場合もありますが、病院の売店で買えることが多いものです。帝王切開について説明を受けた際に確認しておきましょう。 普通分娩予定の妊婦さんでも、出産時にトラブルが起きて緊急帝王切開になる可能性は誰でもあります。帝王切開についても知識を身につけておくことは、安心してお産に臨むために必要なことです。もうすぐ出産の時期かと思います。不安なことは担当の医師・助産師にしっかり確認して、出産の日を迎えてください。

先生のプロフィール

順天堂大学医学部卒業後、関東労災病院産婦人科・日立総合病院産婦人科・国立霞ヶ浦病院産婦人科などに勤務した後、米国コロンビア大学医学部へ研究留学。帰国後は、社会保険中央病院医長、愛育病院産婦人科部長を歴任し、1996年11月に秋葉産婦人科病院の第4代院長に就任。2009年8月、WHO/UNICEFより「赤ちゃんに優しい病院」、BFH ( Baby Friendly Hospital ) の認定を受け、2014年には「ぽっかぽかクラブ(育児サークル)」や産後ケアセンターを設立するなど、幅広いサービスで地域の女性たちの妊娠・出産・育児をサポートしている。
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