帝王切開の術式と病院の変更について
妊娠後期(5~9ヶ月)の相談
Q2881:帝王切開の術式と病院の変更について
今25週で逆子です。30週でまだ逆子だったら帝王切開の予約を入れましょうと言われました。
緊急なら仕方ないですが、予定帝王切開なら私はできるだけ傷が目立たないよう横切開で、傷もステープラー(ホチキス)のようなものでとめるのではなく、真皮埋没縫合(真皮を溶ける糸で縫ってもらって表皮は医療用接着剤でとめる)にしてもらいたいので、
縦切りしかやってないといわれたら病院を変えてもらおうと思います。
しかし私は現在精神科通院をしていて服薬もしているため、精神科と産科がある病院じゃないとダメだといわれて個人病院から今の病院に紹介されて通っています。
とはいえ精神科の症状はもう3年以上前から落ち着いており、薬を飲んでいる以外は至って普通に生活していて、今の病院の精神科の先生にも
『精神の診察は出産の時までしなくても平気だからなんかあったら来てね』
といわれ、自己管理しています。
もし今後病院を変えることになったらどのように動けば良いでしょうか。
東京都内で私の希望に沿う帝王切開をしてくれそうな病院はどこかありますでしょうか。精神科通院をしているというと一気に受け入れてもらえなさそうで不安です。 2017-09-30 16:35

あなたの希望を叶える上で必要なことを、
医師の立場から今回の相談について整理しながらお答えします。
1)骨盤位について
*妊娠25週くらいでは20〜30%は逆子です。30週を過ぎると頭位が多くなり最終的に分娩時の胎位は頭位が95%です。
*「逆子だと帝王切開にする」ようになったのは30年くらい前からです。このころの帝王切開率は6〜8%、それより以前は帝王切開率は5%くらいです。それが20年前には10〜15%になっています。(現在は14〜24%)「逆子だと帝王切開にする」にはそれなりの理由がありましたが、ここではそれについては触れません。
2)精神科疾患について
病名を書かれていませんが、出産(経膣分娩であっても帝王切開であっても)は、その人にとっては心理的に影響のあることです。それで出産の際に、元々の精神疾患が強く現れることがあり、緊急で精神科の手助けをお願いすることも考えておかねばなりません。「なんかあったら来てね」が、陣痛のさなかでできないこともあるからです。
3)腹壁切開の方法について(縦斬りか横切りか)
*縦斬りの方が手術がやりやすいのです。手術の視野が広いと考えられていました。でも最近は横切りが多くなっていると思います。
*横切りの方が、傷跡は目立たないでしょう。
4)腹壁の傷の縫い方について
*これは、術者が慣れた方法(やりつけている方法)で行います。普段やっていない方法で行うのは難しいと思います。ただし、中にはどんなやり方でもできますよという人はいると思います。
あなたの「こうして欲しい」を叶える上で必要なことを、医者の立場で回答しますと
2)が一番大事です。次が4)、次いで3)、1)の順でしょうか。
私だったら、
2)精神科医のいる病院に紹介、4)はできない、 3)はどちらでもご希望通り、1)はできるだけ経膣分娩を考えます。骨盤位のままの経膣分娩でも条件がよければ、OKとします。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。-
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