卵アレルギーがある子も、インフルエンザの予防接種は問題ない?
子育て期(生後1歳7ヶ月~2歳)の相談
Q4412:卵アレルギーがある子も、インフルエンザの予防接種は問題ない?
こんにちは。もうすぐ2歳になる次女に卵アレルギーがあることがわかったのですが、インフルエンザの予防接種は控えたほうがいいのでしょうか?
私自身も子どもの頃、軽度の卵アレルギーがあったためか、インフルエンザの予防接種は受けてなかったのですが、保育園から「10月から予防接種が始まるので、できるだけ早く受けるように」とのお手紙がきて。
周りはみなさん受けるようなのですが、ネットで調べていると、インフルエンザワクチンの製造に鶏卵を使うという情報もあり、不安になりました。多くのサイトで、問題ないと書いてあるのですが、今はもう大丈夫なんですかね…?
自分が受けていなかったこともあり、不安です。
予約の際に聞けると思いますが、もしご存知の方がいらっしゃったら教えてください。 2019-09-24 15:09

▼インフルエンザワクチンについて
インフルエンザワクチンは、鶏卵を使用してワクチンを製造しています。そのため卵の成分が混入していますが、きわめて少ない量なので、卵の加工品を食べても症状が出ないような、軽い卵アレルギーの場合は、接種しても問題ありません。
ただし、ごく微量の卵を摂取しただけでアナフィラキシーを起こしたことがあるような、重症の卵アレルギーがある人は要注意者となりますので、接種を見合わせるか、専門医に相談してください。
インフルエンザワクチンの効果は年齢が低くなると下がります。0歳の赤ちゃんの場合は接種しても効果が低いので、赤ちゃんの接種は見送って、周りの大人がしっかりワクチンを打って防御するという考えでも良いと思います。季節の流行や重症化を考えると、1歳を超えたら接種が勧められます。お子さんは間もなく2歳とのことで、重症でなければ接種した方が良いと考えられます。
▼そのほかのワクチンとアレルギーの関係について
一般の医療機関で接種されているワクチンで、卵アレルギーに関係があるのはインフルエンザワクチンのみです(渡航用ワクチンでは、黄熱ワクチンが卵の成分を含みます)。
以前は麻疹(はしか)やおたふくかぜのワクチンも卵アレルギーと関係があると考えられていましたが、実際に使われているのはニワトリの胚細胞というもので、鶏卵とは異なります。また、現在はワクチンが十分精製されているため、卵アレルギーであっても接種に支障はありません。
卵アレルギー以外では、ゼラチンアレルギーが1990年代に問題になりました。ワクチンの安定剤として含有されていたゼラチンに対する副反応として、アレルギー症状が出現したものです。現在は黄熱ワクチンと狂犬病ワクチンを除いて、ワクチンにゼラチンは使用されていません。
アレルギーとの関連に限らず、予防接種について不安な点がある場合は、接種前の問診時に医師に相談しましょう。
日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
先生のプロフィール
東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院小児科、愛育病院小児科などに勤務したのち、カナダのトロントに研究留学。帰国後は東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
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