予防接種後、2日後に発熱しました。
子育て期(生後5~9ヶ月)の相談
Q4229:予防接種後、2日後に発熱しました。
先日、予防接種へ行きましたが、翌日に39度の発熱をしました。
予防接種の当日は、夜寝ることができないくらい、大泣きで一晩中抱っこ。
その翌日の夕方から発熱した感じです。
まだ来月に3つほど、同時接種が残っていますが、ひとつずつ打った方が悩んでしまいました。
しかし、何回も病院へ行く方が、いろんな風邪も移る可能性が高くなるし…と思ってしまいます。
翌朝には、すっきり下がっていました。
食欲はあり、水分補給もしたがります。
皆様ならどうしますか?
2019-05-23 19:32

0歳の赤ちゃんが標準的に受ける予防接種には、ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、4種混合、ロタ(任意)、BCGがあります。このうち、はじめの4種類は「不活化ワクチン」、ロタとBCGが「生ワクチン」です。副反応の現れ方は、「不活化ワクチン」と「生ワクチン」で違ってきますが、今回のご相談では、発熱があって次が「3本同時接種」ということなので、不活化ワクチンのこととしてご説明します。
不活化ワクチンは、毒性を失くした細菌やウイルスの成分を使用しますが、保存剤や安定剤、アジュバント(免疫を助ける物質)などを付加して作られていて、それらの物質への生体反応として、ワクチンを打った場所が赤く腫れたり、発熱したりすることが比較的よく見られます。
以下、要点ごとに解説します。
■1.主な副反応の頻度
打った場所が赤くなるなどの局所反応と発熱が主な副反応になりますが、ワクチンの種類により出現頻度に差があります。最も高率なのは肺炎球菌ワクチンで、国内の臨床試験では、局所反応は70%以上、発熱は30%にみられています。ヒブ、B型肝炎、4種混合ワクチンの副反応の頻度はこれより少なく、発熱はいずれも数%です。
■2.副反応への対処法
不活化ワクチンの場合、接種した当日か翌日から発熱し、ほとんど24時間以内に解熱します。あわてずに1日待っていただいて大丈夫です。局所の赤みや腫れは数日で自然におさまります。ときどき、皮下にしこりができて、消えるまで数ヶ月かかることがありますが、これも心配いりません。
■3.同時接種について
同時接種することによって副反応がひどくなったり、ワクチンの効果が落ちたりすることはありません。0歳でやるべきワクチンはたくさんあるので、上手にまとめて接種していかないと、怖い病気への対策が遅れてしまいます。接種の推奨スケジュールは、病気にかかりやすい年齢や、重症化しやすい年齢を考えて作成されていますので、できるだけそれに沿った形での接種をお勧めします。
■4.今後の注意点
海外では、予防接種と同時に解熱剤を処方することもあるくらい、副反応は当然、という考え方です。実際に重い病気にかかるよりも、一時的な発熱なら、免疫の効果を得るためには仕方がないということです。一晩泣いてぐずられてママは大変だったと思いますが、1回目に発熱したからといって、2回目以降も発熱するとは限りません。また、病気で発熱したのと区別するために、赤ちゃんの体調が良いときに接種することが大切です。
以上のことから、医学的には次回も「3本同時接種」で問題ありませんが、何か心配なことがあれば、接種前の問診で担当医に相談してみてください。
日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
先生のプロフィール
東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院小児科、愛育病院小児科などに勤務したのち、カナダのトロントに研究留学。帰国後は東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
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