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チョコレート嚢胞とは?

妊活・妊娠前の相談

Q1191:チョコレート嚢胞とは?

生理痛がひどく、病院を受診したところ、チョコレート嚢胞と診断されました。原因や治療法、また妊娠への影響などについて教えてください。 2016/5/10
堀口貞夫先生
チョコレート嚢胞とは子宮内膜症の1つです。
子宮内膜症とは子宮の内膜と同じ構造の組織が子宮の外たとえば卵管・卵巣・腹膜(子宮と直腸の間や子宮と膀胱の間など)に付着して、ホルモンの影響を受けて周期的な変化を起こし月経と同じように出血するようになったものです。卵巣にできた場合は袋状(嚢)になることが多く、そうすると周期的な月経ようの出血は袋の中にたまることになります。血液は時間が経つと褐色〜黒褐色になり、水分は吸収されるので濃縮され、溶かしたチョコレートに似た感じになります。それでチョコレート嚢胞と言われるのです。月経のたびに嚢胞の中に出血するので生理痛が強いのです。
原因は月経血には子宮内膜の断片が混ざっていますのでそれが、卵管を通って腹腔内に逆流し上に書いたようなところにくっついてそこに子宮内膜様のを作ってしまうのではないかとも言われていますが、本当のことはわかっていません。
治療は避妊用の低用量ピルを飲んでいると子宮内膜があまり厚くならず、「着床しやすい変化」が起こりません。それで月経量が少なくなるのです。ピルを飲んでいる方にはこれに気がついておられる方も多いと思います。子宮内膜症でも出血も少なくなり、内膜の萎縮も起こるので結果的にチョコレート嚢胞が良くなった状態にすることができます。
子宮内膜の飛び地があちこちに出来、癒着も起こしやすいので妊娠しにくくなります。でも昔から妊娠すると子宮内膜症はよくなるあるいは症状は軽くなることが知られていました。ということは子宮内膜症があっても妊娠した方が沢山おられた訳で、ひどく妊娠し難いものでもないようです。

先生のプロフィール

元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。
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