現在産科の医者は、『1人目が帝王切開分娩だと,次の子も帝王切開になる確率が高い』と考えています。
帝王切開だと子宮を切って赤ちゃんを取り出し、胎盤も取り出した後、切った子宮の切り傷を縫い合わせます。上の子が2~3歳になって2人目を欲しいと思い妊娠したとき、胎児がだんだん大きくなると子宮も大きくなっていきます。縫い合わせた傷が引っ張られますが、これで傷がはじけてしまうことは先ずありません。
しかしお産の時に、普通分娩では強い子宮筋の収縮を繰り返して子宮口を開き、胎児を押し下げていかなければなりません。これが手術の傷跡に負担になり傷は破れてしまうことがあるのです。このようなことが起こると、胎児にもお母さんにとっても非常に危険です。ですから次の妊娠の経過を見ながらですが、帝王切開を繰り返す可能性が高くなるのです。
あなたが希望しておられるように、最初のお産は普通分娩が望ましいのです。しかし、どうしても帝王切開でなければならない場合もあるのです。
例えば、
・骨盤の大きさにくらべて胎児が大きくて通り抜けられそうもないとき
・胎盤が子宮の出口を塞いでいて(前置胎盤と言います)子宮口を通って出ることができない時
・陣痛が始まってから、子宮口が十分に開くまで10~15時間、その後産道を通って胎児が外に出て来るまで、2~4時間かかります。何かの理由で赤ちゃんが苦しくなり、それだけ時間をかけてゆっくりゆっくりでてくるのでは胎児が危険なときなどは、やむを得ず帝王切開し急いで出さなければなりません。
このような判断をするために、助産師や産婦人科の専門医が居るのです。(助産師は帝王切開という手術をすることはできませんが、帝王切開が必要かどうかの判断は出来ないといけません)
麻酔をして、おなかを切るという帝王切開は,必要だからするのであって必要もないのに手術をすることはありません。ご安心下さい。
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▼ 堀口 貞夫先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。
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