
Q.臍帯血検査のリスクと必要性
中国で出産を予定しており、こちらの産科医にかかっています。血液検査の結果、ヘルペスが陽性でした。現在36歳で高齢出産であることもあり、 羊水検査も事前にすすめられていたのですが、ヘルペス陽性のため(血清検査の結果を見てからになりますが、)臍帯血検査をすすめられました。
トリプルマーカーテスト、超音波の結果から見れば、若干数値が高いものの、36歳という年齢から見れば平均的なものであるとのことでした。
臍帯血検査というもの自体、耳慣れておらず、日本ではほとんど行われていないとも聞きました。そのリスクと必要性について、教えてください。
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妊娠19週での臍帯血検査でしょうか?
この時期の臍帯は直径が5mm位ですから、臍帯の中にある血管は1mmくらいです。血管に妊婦さんの腹壁上から採血用の針を刺して採血するのは、技術的にはかなり難しいと思います。
胎児の臍帯血の検査は、日本でも行われますが、30週くらいを過ぎてから、この検査をして診断をしなければ診断が出来ず、かつ子宮内での治療が必要な場合にだけ行われます。
臍帯血検査の目的は何でしょうか? ヘルペス陽性のためでしょうか。胎児の血液のヘルペス抗体を調べても、母親の抗体が移行しているのであまり検査の意味はないように思います。
ヘルペスウィルスの存在を確認する検査をやるとしても、適切な治療法がないので、検査意義は少ないと思います。
36歳という年齢のためであるとして問題になるのは、21トリソミー(いわゆるダウン症)の診断のためですが、仮に21トリソミーの診断がついたとして、妊娠を継続しないと判断するとすれば、日本で人工的に妊娠の中絶が出来るのは、妊娠22週未満です。妊娠19週で臍帯血採取しても染色体の検査の結果が21週末までに出る可能性は少ないように思います。とすれば、検査をやって結果が分かっても妊娠を継続することになるので、検査をしただけで無駄になります。
日本では17~18週頃に羊水穿刺をして、採取された羊水で染色体検査をするというのが普通です。これで21週までギリギリ間に合います。
この問題には、もう一つ「21トリソミーは絶対に生まれては行けない疾患か」という問題があります。
21トリソミーは精神的発達がゆっくりである、感染症に弱い、先天性心疾患などを合併していることがある。その他に、音感が鋭い、色彩感覚が優れている、優しい等の特徴があります。即ち「個性」という事も出来るのです。それがどの方向かに偏っている者は存在してはいけないと考えることができるか、という問題があるのです。
羊水穿刺のリスクは300回行うと一回の流産或は感染と言われています。
臍帯血採取のリスクは解りませんが、針を刺した所からの出血を止め難いということからすると、もう少し多いと思います。
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▼ 堀口 貞夫先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。
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