以前は、食物アレルギーの治療も予防も、除去食が重要視されていました。今まで食べたことのないものに赤ちゃんがアレルギー症状を起こすので、妊娠中のお母さんの食事が原因だろうと推測され、妊婦さんの食物除去が盛んに行なわれました。しかし、その後の多くの研究で、妊娠中や授乳中の除去食は、赤ちゃんのアレルギー疾患発症を予防する効果はないと結論づけられています。現在は欧米でも日本でも、妊娠中の母親の除去食は勧められていません。
また、一時期、家庭でペットを飼っている方が、子どもがアレルギーになりにくいという論文が出て話題になりました。しかし、その後の研究で、同じようにペットを飼っても、もともとアレルギーになりやすい人にとっては逆効果である場合もあることがわかりました。一概にペットを飼う方がアレルギーになりにくいとは言えないようです。
最近では、腸内細菌のバランスが、アレルギーを含めた人間の免疫機能に影響することが盛んに研究されています。乳酸菌やビフィズス菌に代表されるプロバイオティクスと言われる生菌をアレルギーハイリスクのお母さんや赤ちゃんに投与し、アトピー性皮膚炎の発症を抑制できたという報告もあります。ただ、菌の種類(株などの細かい分類)や投与方法により、異なる結果になっていますので、まだ議論の余地があり、単純にヨーグルトをたくさん食べれば良いというものではありません。
結論として、妊娠前や妊娠中からこれをやったらアレルギーが確実に予防できるという方法はまだわかっていません。お母さんがリラックスして体調を整え、バランスのとれた食事をし、良い健康状態でお産を迎えられることが何より大切です。
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▼ 渋谷紀子先生のプロフィール
東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院小児科、愛育病院小児科などに勤務したのち、カナダのトロントに研究留学。帰国後は東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。
日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
 
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