日常よく使われる薬と栄養剤の使用上の注意(にちじょうよくつかわれるくすりとえいようざいのしようじょうのちゅうい)

かぜ薬


 かぜの原因の多くはウイルスによるもので、ウイルスに対する特効薬はありません。いわゆる「かぜ薬」といわれているものは、かぜの症状を軽くする対症適応の薬のことをいいます。
 発熱や筋肉・関節痛には解熱鎮痛剤、鼻みずや鼻づまりには抗ヒスタミン剤、せきには鎮咳剤(せき止め)、痰の場合は去痰剤(痰切り)が処方されます。かぜ薬は、これらの薬を症状に応じて調合してつくられます。
 薬で症状をやわらげて体の負担を軽くし、そのあいだに自力でウイルスをやっつける手助けをするのが、かぜ薬の役割です。なお、抗生物質は、かぜの原因になるウイルスにはききません(「かぜと抗生物質」)。

解熱剤


 熱を下げる薬です。体温を調節する脳の視床下部という神経にはたらいて、体温を下げます。鎮痛作用もあるため、頭痛や歯の痛み、中耳炎などの耳の痛みをやわらげるときにも使われます。
 ふつう、38.5度以上の発熱がみられ、ふきげんでつらそうなときに使います。熱があっても、きげんも悪くなく元気そうなら使う必要はありません。使うときは、8時間以上間隔をあけ、1日3回程度の使用にとどめます。
 乳幼児の場合、服用後、熱が36度以下に下がるようなときは、危険です。主治医に相談してください。

抗生物質


抗生物質とは、細菌など微生物の増殖を抑制したり、殺菌したりする物質のことです。細菌に対する薬なので、溶連菌感染によるノドの痛みなどには有効ですが、ウイルス性の風邪などには効果がありません。

以前は、風邪などによって免疫力が落ちると細菌に感染しやすくなるため、その予防として抗生物質が処方されていました。今では、そのような二次感染に対する予防効果はないことがわかっています。

近年、抗生物質に対し「薬剤耐性」(AMR:Antimicrobial Resistance)をもった細菌が増えてしまい、深刻な問題になっています。細菌が、生き残るために自らの遺伝子を変異させ、その薬が効かない細菌に変化するのです。その結果、元の細菌が死滅しても、生き残った「薬剤耐性菌」は体内で増殖し、外にまで広がってしまうことになります。抗生物質の乱用は、このAMRを助長することになるので、本当に必要なときに限って用いることが推奨されています。

なお、病気の診断によって抗生物質の投与が適正とされる場合には、治療に必要な適正な量の薬が処方されます。処方された薬は、用法・容量を守って必ず飲み切ることが大切です。途中で服用をやめてしまうと、体内に残った細菌から耐性菌が生まれる可能性があるからです。

政府は2016年に、耐性菌を減らすための『AMR対策アクションプラン』を立てました。2020年までに減少させる薬剤使用量などについて、成果指標となる数値目標が設定されています。

整腸剤


 もともと腸内に住みついているビフィズス菌や乳酸菌などのよい菌を配合した薬です。これらの菌をふやすことで腸内に侵入した有害な菌を排除したり、増殖をおさえます。そうして腸のはたらきを改善させ、機能を正常に保ちます。下痢は、腸内の環境が乱れて、腸の動きが不規則になる現象ですが、この場合も整腸剤を服用して腸内によい菌をふやすことで改善をはかります。

ビタミン剤・ドリンク剤


 ビタミンは大別すると、油にとける性質のある脂溶性ビタミン(ビタミンAやDなど)と水にとける性質のある水溶性ビタミン(ビタミンB群やCなど)があります。脂溶性ビタミンは、必要以上の量を摂取すると、ビタミン過剰症になり体に障害を起こすことがあります。水溶性のビタミンは、よぶんに摂取した場合、尿とともに排泄されるので過剰症になる心配はありません。
 子どもの場合、ふつうに栄養のバランスのとれた食生活をしていれば、ビタミン欠乏症になることはまずありませんし、必要なビタミンは食べ物で十分補えるものです。わざわざビタミン剤を飲ませる必要はないでしょう。
 なお、「医薬部外品」と表示された飲料がドリンク剤です。その多くにはアルコール分やカフェインが含まれており、子どもには適当ではありません。同じようなドリンクでも「清涼飲料」と表示されたものは問題ありません。

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