人生100年時代を生きる子どものためにできること

  • 2018-03-09 22:20
  • 一般公開
  • テーマ:おすすめの本
「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。そのきっかけとなった一冊の本を今月はご紹介したいと思います。

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社:リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著 池村千秋訳)

タイトルに惹かれるまま読み始めた私ですが、これからの時代を生き抜く子どもたちのために、今、大人として、子らの親として求められている力とは何かを、改めて考えるよいきっかけとなりました。

人生50年と言われた時代はもうはるか昔のこと。いまの子どもたちの暮らしをひとつとっても、自分の頃とは大きく違っていることに気づきます。

この本には、今の子どもたちの平均寿命を予測した結果、2007年生まれの日本の子どもたちの50%は、107歳まで生きる確率があるというデータが寿命の推移を表すグラフとともに紹介されていました。107歳というのはあくまで推計ですが、乳幼児や子どもの死亡率の低下、病気の早期発見、医療技術の進歩、禁煙活動などの啓蒙の強化を経て20世紀から21世紀へと移り変わる中で、どんどんと健康水準が向上していく様子がよくわかります。

「長寿」はたしかに喜ばしい贈り物です。でも、今までと同じような価値観や行動では、その与えられた100年を自分にとって幸せなものにすることはできません。経済的な備えも必要ですが、それだけでは足りないことは、今、この年になってみてよくわかります。

お金以外に自分自身の中に大切な何か=「見えない資産」を作ることが「長寿」の時代には、重要になってくるのです。

この本の第1章に大変印象深い一文がありました。
「未来についてはっきり言えることが1つある。それは大勢の開拓者(パイオニア)が生まれるということだ」まさにそのとおりなのです。

これからはいままで常識と考えられてきた人生の手引は通用しないのだと筆者は言います。「前例に従えばよい時代ではなくなる」ということです。

人類がこれまで経験したことのない新しいステージを迎えようとしている今、子どもたちに人生100年時代を生き抜く力を身につけて欲しいと願うならば、まずは自分にもその力をつけていかねばなりません。

そのために、自分にとって有効な生き方とはどんな生き方なのかを考えてみましょう。どんな道を自分自身で選択していけばよいのかを、自分で考えて、そしてできることから行動するのです。

どんな小さなことでもいい。他の人が持っていない自分の強みを大事にしてください。それを磨いていけば、自分の中にあなただけの「見えない資産」が少しずつ形となっていくのですから。

子育て中は忙しくせわしないものです。自分のことはつい後回しになってしまいがち。でも、それを「しかたない」と思い、考える事すらしなければ、それはあなた自身の停滞につながってしまいます。

ぜひ、あなた自身が未来を生き抜く「パイオニア」になるという志を持ってください。今は、手をかけることが煩わしいと思うことがあるかもしれない。でも、そのひと手間を重ねていくことが、未来へとつながっていくのです。

そして、そんな母親の姿勢から子どもは多くを学ぶでしょう。

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」は400ページに渡る本ですから、じっくりと読み込む時間は持てないかもしれません。でも、斜め読みでもいいのよ。
あなた自身の前進のために、何かのきっかけとなってくれるはず。おすすめの一冊です。

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