連日子どもの虐待の悲しいニュースが流れています。児童虐待は、「児童虐待の防止等に関する法律」の第2条に定義されています。
子どもに対して身体的な苦痛を与えたり、身体的な暴力をふるう(身体的虐待)。子どもに食べ物やミルクを与えないとか医者にみせないなど子どもに必要なケアをさせない(ネグレクト)。子どもに性関係を強要したりポルノ写真をとったりする(性的虐待)。子どもの存在を無視したり、罵声を浴びさせたり、子どもの前でドメスティックバイオレンスを繰り返すなど(心理的虐待)があります。
児童虐待は年々増えており、実のお母さんが虐待者の60%を占めています。そして亡くなった子どもの年齢は1歳未満が約40%です。原因には、貧困や薬物の影響がありますが、日本の特徴は育児のストレスがあります。
育児ストレスをどう解消するのか
お産の後退院すると、本格的に家での育児がはじまります。子どもと2人でいるのは、大変なこと。赤ちゃんは、泣いて訴えますが、なんで泣いているのかわからない。どうにか泣きやまそうと思っても泣きやまない。周りが気になり、自分でも悲しくなりイライラしてきます。特に1~2ヶ月位は、外に出ることが難しく、行ける場所も限定され、一人になることも難しいですね。このような時、自分だけでストレスを溜めてしまうと、何かの引き金で爆発してしまいます。誰かに、大変であること・悲しいこと・嫌な感情があることなど吐き出してしまうと少しすっきりします。
子どもは、とてつもないエネルギーをもっています。子どもとつきあっていると、たくさんのパワーを吸い取られているように感じます。ずっとがんばりすぎていると、みなさんのからだがパワー不足になってしまいます。ややうつ状態になっているお母さんは、がんばっている方が多く、自分のからだの不調を訴えています。からだが悲鳴をあげているのです。それなのに、子どものためにと、必死になっているのです。たまには自分のために自分を労ってあげて下さい。それができるようになると、余裕がつくれます。
決して1人では育児はできない
育児のストレスを抱えている方と話をすると、実母や義母、パートナーにも遠慮している人が大勢います。しかし、子どものためにと思うのであれば、お母さん自身が元気であることが大切。地域や病院では、育児ストレスのお母さんのための様々な取り組みを行っています。勇気をだして、助けてと大声で言ってみましょう。自分にあった支援者を探すこともストレスを溜めない秘訣かもしれませんね。
子育てをしていると、大変だったけどよかったと思えることの方が多いのです。かわいいと感じたり、癒されたりすることもたくさんありますよね。大変な時は、真っ暗なトンネルに迷い込んだような気になりますが、必ず、明るい光が差し込んでぬけることができますよ。
■「児童虐待の防止等に関する法律」の第2条 保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
- 1 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
- 2 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
- 3 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前2号または次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
- 4 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
(2007.2)