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こんな時どうする?産院選びによくある悩み

河合蘭さんの産院選び相談室

「産院選び」アンケートに答えてくれた出産経験ママたちの中には大好きな”My産院”を持っていて「今度のお産も、絶対にあの産院」と決めている人もいました。でも全体としては、かなりたくさんの人に迷いがあるようでした。

また、産院の選択肢は、地域によって大変なばらつきがあります。大学病院でも自宅出産でも何でも選べる都心部と、出産ができる施設自体がほとんどないところまでさまざまです。 今回の産院選びアンケート」でも、何か希望を持っていても、それがかなうところがなかったという声がたくさんありました。たくさんの人が産院に対して不満を抱えたままお産をしているのは残念ですね。

産院選びによりくある悩み 目次

ママ達の声

希望を満たす産院が近くにない

子連れでの健診に好意的で通院しやすく、LDR導入の産科を希望していたが見つからなかった。(ヒュウヒュウさん)

高齢初産や、今までの持病の不安から、NICUも備え、緊急帝王切開のできる総合病院を優先に選びましたが、できれば立会い出産ができて、母乳指導があり、母子同室が希望でした。あいにく、全てを兼ね備えた病院がありませんでした。(pbearさん)

近所に産院が少ないので、選びようがない。(okyouさん)

1時間で行ける距離なら、足を伸ばしても大丈夫

近所の産院が希望に合わないとき、ひとつの方法としては、足を伸ばして探すことになります。陣痛が始まってからすぐ生まれるわけではないので、一時間くらいで移動できる距離で、自分が大きな負担を感じなければ、市外へ出てもいいと思います。

家や車内で産むことになる超スピード出産の不安は誰でもありますが、大事なのは入院のタイミングをうまくはかること。家と産院が徒歩圏の距離でも、タイミングをはずして予定外に自宅出産になる人もいます。遠い産院で産むときは、「陣痛かな」と思ったら、間違えてもいいくらいの気持ちで早めに準備しましょう。

遠くても「ここで産みたいなあ」と本当に思えるようなところが見つかると、毎回の妊婦健診も楽しみになり、通院がつらかったという人はあまりいません。その反面「近いからという理由で選ぶべきではなかった」という声はよく聞かれます。「駅からタクシーに乗っちゃう」など交通機関の工夫で楽に通えないか考えてみてはどうでしょう。

●産院に希望を話す勇気も必要●

近所の産院への不満が、変えてもらえそうなことだったら、そこで希望を言ってみるのも手です。夫の立ち会いを例外的に認めてもらったり、別室の産院でも同室にしてもらったりする人もいます。夫の立ち会い出産が普及してきたのは、立ち会いをしていない産院で、勇気を出して希望を言った人がたくさんいたからです。家族入院は普通できない産院で「お産当日の夜だけ可」にしてもらうなど、希望が100パーセント通らなくても、話し合いで希望に近い形にできることもあります。ただ、産院の立場にも耳を傾ける気持ちを忘れずに。

ママ達の声

この産院で大丈夫?信じていいかわからない

前回利用した産院は悪いウワサが多くて選ぶ気になれない。(あやママさん)

その病院がどれだけ医療的に高度な技術を持っているか、お医者さんやスタッフの方が優秀かということがわかるような情報、(たとえば異常出産等の確率とか医療ミスの件数とか)が知りたいと思います。(audreychanさん)

夫や家族も連れて行って、見極めを

今は医療施設の怖い話がたくさん報道されていて、心配材料はいくらでもあります。そこが信頼できる産院かどうか、自分だけでよく分からなかったら、夫や実母などに健診へ同行してもらってはどうでしょうか。信頼できる産院の目安としては、医師、助産婦などそこで働いている人の態度が誠実できちんとこちらの質問に答えること、職員間の人間関係がスムーズでみんなが生き生きと働いていることがあげられると思います。マスコミにたくさん出ているとか、流行っているといったことは、必ずしも産院の安全性に比例しません。

地域の口コミを集める

アメリカでは大きな過失があった医師の名前を公表することがあります。日本では情報公開はそれには遠く及びませんが、口コミはある程度頼りになります。引っ越したばかりでもあきらめないで、買い物、美容院などあらゆる生活場面で地元の人とおしゃべりして情報を集めましょう。

ただし、口コミ情報は、人によって言うことが違う場合も多いもの。ひとりの「おすすめよ」という声にすっかり安心してしまうのは禁物。なるべくたくさんの人に聞き、最終的には、自分で判断することが肝心です。

ママ達の声

大学院と小さい病院、どちらがいいの?

もしもの時のために医療施設のしっかりした総合病院がいいか、自然で家庭的な助産院で産めばいいのか迷っている。(はせくろさん)

最初は「大病院だし、ほんとは個人病院で理想的な出産をしたい」と思っていたのですが、ここの病院は確かに大きなところですが、なによりも助産婦さんたちがすばらしい!!!!出産及び入院中は本当に励まされました。産後3カ月近くなる今も助産婦さんから連絡をいただいたり、ベビーマッサージ講習の案内が来たり、産んだ後のケアも最高です。(Ralphieさん)

医療者個人の技量も重要

病院は、大学病院や「周産期母子医療センター」など、都道府県の要となる大きな病院ともなれば、確かに、医師がたくさんいます。そのため夜間も複数の産科医が当直でき、昼夜同じように緊急手術できる文字通りの「24時間体制」がとれます。多くの場合、手術の時に麻酔医がついてくれるし、赤ちゃんに問題があってもすぐに高度治療が開始できるNICU(新生児集中治療室)があればさらに万全です。

しかし、今は妊婦健診技術が発達しているので、特に大きな問題がない妊娠の場合、個人産院や助産院で出産しても、出産場所のために大変な事態になる可能性はとても少ないです。お産の安全性は、実際には施設の大きさより医療者個人の技量によるところもあります。

「大病院は冷たくて小さいところは暖かい」には例外も

一度、病院、個人産院、助産院、という枠をはずしてもっと個別に考えてみるのもいいと思います。

「大病院は冷たいけれど安全、小さいところは暖かいけれど危ない」という一般論も、例外はたくさんあります。冷たい個人産院、助産院があるいっぽう、医師も顔負けなほど見立てがよく、病院との連携もバッチリな助産院や、普通のお産にも心のケアがたっぷりな大病院もあります。

ママ達の声

小さい病院から大学病院へ搬送される場合

予定では小さな個人病院での出産でしたが、羊水減少で赤ちゃんも小さかった(37週2000g)ので急遽大きな個人病院に移らされました。(ぶーりんさん)

出産時に出血が多かったため、医師の判断で輸血設備が整っている病院に緊急に転院した。 (Tomochan3さん)

助産院での出産を希望しましたが、妊娠中毒症になり、助産院に紹介された産院で最終的に出産しました。(chieさん)

小さい産院にかかった場合、その施設では手に負えない事態が起きたら大きいところへ搬送されます。一番多いのは早産になりそうな場合にNICUがある病院へ搬送されるケースですが、他にもいろいろな理由があります。

こうなる確率は、公式な統計もなく分かりませんが、今回のアンケートでは、5%のママがこのような体験をしていました。また私が『お産選びマニュアル』という本を書くとき調査した範囲では、個人産院32施設の平均が2.3%、都内の助産院(特に大きな助産院)3施設の平均は6.6%(うちお産の最中・産後に母親あるいは赤ちゃんが移動した率は4%)でした。

「大病院は冷たくて小さいところは暖かい」には例外も

一度、病院、個人産院、助産院、という枠をはずしてもっと個別に考えてみるのもいいと思います。

「大病院は冷たいけれど安全、小さいところは暖かいけれど危ない」という一般論も、例外はたくさんあります。冷たい個人産院、助産院があるいっぽう、医師も顔負けなほど見立てがよく、病院との連携もバッチリな助産院や、普通のお産にも心のケアがたっぷりな大病院もあります。

利用してみたい、病院の助産院的サービス

最近、病院の中でも助産院のようなきめこまやかなことをしようと、助産婦さんたちが独自な外来を持つ「助産婦外来」や「母乳外来」、かかりつけの助産婦さんを決められる「受け持ち制」が少しずつ増えています。助産婦さんが単独で妊婦健診を行なうのは助産院でもやってきたことで、問題が見つかった場合は医師へバトンタッチされるし、医学的にも問題ありません。待ち時間の短縮につながるのもうれしいこと。今回のアンケートでは認知度が今ひとつでしたが、もっと利用してみては?

ママ達の声

家族と意見が食い違う

母親と食い違いがあった。母はお産は何があるか分からないから、近くの市民病院を薦めたが、私は産院の雰囲気や内容で選びたかった。(やいちゃんさん)

主人と食い違った。どこでどんな出産をして、産褥/新生児期を始めるか。大事なことなのに分かってないんだヨな。分かってないし、主役は私だから、自分で決めちゃった。でも、次回は、たくさん話し合って、遠い所でもいいから、自分の希望に少しでもかなう所で出産したい。子どものことなど協力が必要だから。(ゆきやなぎさん)

産院へ一緒に来てもらうこと

家族と想いがひとつにならない時は、自分が産みたいと思っている産院の良さを何とか分かってもらいたいですね。一般的には、「百聞は一見に如かず」で、妊婦健診や出産準備教室に同行してもらうのが一番みたいです。

妊娠した本人にくらべ、男性や一世代前にお産したおばあちゃんは本当に情報が少ないものです。特に助産院出産や粉ミルクをあげない完全母乳には、反対しないまでもとまどいを見せる家族が普通。だから、はじめは少々食い違って当然、と思って、少しずつ分かってもらいましょう。

それから、産院選び以外のことで何か確執があるといつまでも平行線をたどるので、その人との別な食い違いに気づくことも大切。

産院は本人がひとりで決めることもあるけれど、アンケートでは、半数以上の人が家族と話しながら決めていました。

ママ達の声

里帰り、すべきかせざるべきか

里帰り出産を再度するかどうか。実家が遠いので1人目の子どもを連れて里帰りすることが良いかどうか。また、里帰り出産すると主人の親としての自覚が薄れるような気がする。(ぶーこさん)

本当は里帰り出産したいが、前回出産した産院は私にとってベストだった(お産が自然、立会い、母乳指導、母子同室等)ため、他の産院に移るのが恐い。(♪かりん♪さん)

「親におまかせ」の部分を少なく

退院してきたあとは、育児休暇をとった夫が、てきぱきと家事をこなしてくれる…そんなシーンはまだまだ望めない日本では、里帰り出産はとうぶん根強い人気を誇りそう。でも、里帰りをするなら、訪ねてくる、電話する、E-mail をする、とあらゆる手段で夫との接触チャンスを作り、パパがパパになるのを助けてあげる必要はありそうです。

それから、産院選びについつい手を抜いてしまい、不満を残す人が多いようなのでご注意。住んでいる地域ではないため産院情報が得にくいので親に産院選びを任せてしまった、いざ帰ってきたらその産院が気に入らない―――こんなケースをよく聞きます。

やはり妊娠中期頃に一度帰省し、自分自身の目で見て産院を決め、できたら一度診察を受けておくことをおすすめします。産院によっては早くから分娩予約を入れる必要があったり、何週目までに転院すべきか決まっていたりするので、早めに行動を。

産院は本人がひとりで決めることもあるけれど、アンケートでは、半数以上の人が家族と話しながら決めていました。

ママ達の声

みんなどんな風に転院しているの?

初診で行った病院は、口コミでの人気も高かったのですが(食事がおいしい、建物がキレイ、先生・スタッフが親切等)、比較的混んでいる土曜日に次回の検診をお願いしたら露骨にイヤな顔をされ、不愉快になってしまいました。また、超音波写真を家族にも見せたいのでいただきたいと申し出たところ、「うちの病院ではお写真をお渡しするのは患者側ではなく病院側が決めたときにお渡ししています」と言われ、病院本位なんだな…と残念に思い、それっきりになりました。(*わんぞう*さん)

初診したときはまだ籍を入れていないときで、自分は産む決心で来てるのに、そこの先生はいきなり中絶の同意書を持ってきたんです!これには本当に激怒しました!!二度とあの病院には行きたくありません!! (びっけママさん)

初診の病院も個人産院だった。そこの助産婦さんがかなり人にきびしかった。切迫流産で一度入院したとき病院食が悪かったのと(晩御飯でおはぎをだされたり、インスタントカレーが出てきたのにはびっくり!)医療ミスのうわさを聞いたので同じ市内の別の病院に変えました。 (五月晴れさん)

転院は慎重に。でも必要なら、思い切ってもOK

転院は、産院に悪いのでしにくいという人も多いけれど、最近は、珍しくなくなりました。

※「ベビカムママたちの産院選び体験を見てみよう」の「5、転院した理由は?」を参照

お産は信頼関係が大事なので、自分に合わない、好きになれないと感じた産院は転院を考えてもいいのです。ただ、パーフェクトな産院はおそらくないと思いますから、完璧主義の傾向がある人は現実的になること。

転院時には、できるだけ紹介状をもらうようにします。産院によっては妊娠後期では予約が満杯になっていることもあるので、転院時期は早いほうがベターですが、べつに「何カ月以降は転院できない」というきまりがあるわけではありません。

ママ達の声

前回が帝王切開でした。今度のお産はどうしよう?

1回目が帝王切開だったので、2回目も帝王切開の方が安心だけど、出産した病院では、可能な限り自然分娩を勧めている。初めての出産で帝王切開だった人に、2回目はどうしたか、その理由と感想を聞きたい。(たくみよんさん)

一度目に帝王切開で出産すると2度目もという産院が多いと聞いています。次回は自然に産みたいと思っているのですが、自分の通える範囲内にそれらをかなえてくれる産院があるのか??また危険度はどれくらいなのか??がわからず迷っています。(まきっぺさん)

「子宮破裂」の起きる可能性は1000人に1~2人

「一度帝王切開した人は次も帝王切開すべき」という考え方は「一度切開している子宮は陣痛中に子宮破裂を起こしやすい」というのが理由で、旧式の手術様式ではそのとおりでした。しかし、今の手術様式「下部横位切開(子宮の下の方を横に切るやり方)」の場合、子宮破裂の起きる確率は、1000人に1~2人(0.1~0.2%)と低下しました。そのため、子宮破裂の危険性は、帝王切開に伴う「肺塞栓」のような手ごわい副作用の危険性と天秤にかけられるようになってきました。

ただ自然出産するためには、前回の傷の状態がいいことや、何か難産になりそうな原因がないことが条件です。産院側もいつでも帝王切開に切り替えられるスタッフや設備が必要だし、医師にも意志と経験が必要なので、帝王切開を繰り返す方針の産院が多いようです。

いずれにせよ、自分の気持ちをきちんと伝えてください。

ママ達の声

2人目のお産。上の子が心配

今の子が、私にべったりで旦那にもなついていないので、入院中一緒に入院することになりそうなので、助産院にしようか、里帰り先の病院にしようか迷っています。今の子のときに行っていた総合病院は、子どもを連れてきてはいけないところなので、次回は検診にすらいけません。同じ所の方が安心なのに、なぜ子どもがいてはだめなのでしょうか?実家も遠く見てもらえる人がいないのに…。(こうたんさん)

上の子供を見てくれる人がいないので、家族入院ができるところか、自宅での出産を考えていますが、自宅の出産はやはり不安があります。身近に自宅出産を経験した人がいないので、正直な感想を知りたい。(Marineさん)

家族入院は、割と大変

お産をする人の半分は経産婦だというのに、子ども連れに優しくない産院が多いようです。中には、上の子の名前まで覚えてくれたり、心音を聴診器で聞かせてくれる産院もあるのですが、少数派のようです。

子ども歓迎の産院や助産院、自宅出産は、上の子がいても気が楽です。子どももパパと一緒に出産に立会えます。さらに、出産後ママのおふとんに入れてもらえたら、赤ちゃんが出現しても自分が拒否されるわけではないことがよくわかって、子どもも安心します。病院でも、「子どもの面会禁止」をしないで、ゆっくりと上の子との時間を持てるところが見つかるといいですね。

ただ、家族入院は、今希望が多いけれど、実際にはママにとって割と大変なことです。利用は短期間に。日中、産院のスタッフにおもりは期待できないし、子どもが飽きて始終「静かにしなさい」と言いながら疲れてしまう可能性大です。自宅出産でも、お手伝いしてくれる人が必要。どうしても手がない場合は、シッターさんを頼む人もいます。

ママ達の声

母乳ケアをきちんとしてくれる産院は?

乳房がパンパンにはり乳腺炎の一歩手前までなってしまった私としては、産後の母乳のケアや精神面でのケアをきちんとしてくれるところが近くにあるといいなと思いました。(だいははさん)

出産するのは、産前も大事ですが産後もかなり大事ですよね?産後のトラブルでひどい思いをしてます。今、食事・内装などが重視されがちですが、妊産婦の身になって、産ませっぱなしではなく、産後のトラブルにも強いところを探してます。外来だけでは判断できません。(やんちゃりかさん)

「母乳指導あり」の看板だけではわかりません

今、日本のママの半数は (生後1カ月の時点)、粉ミルクを使わなければ母乳が足りません。こんなにたくさんの人が母乳不足になるのは人間の自然な姿ではなく、「ほとんどすべての赤ちゃんに粉ミルクを足す」、「授乳時間を厳密に守る」、「母子別室制」など、不自然なことをしているからです。赤ちゃんが母乳を飲む回数が減ってしまうので、母乳が余って張って痛んだり、逆になかなか母乳が湧いてこなかったりします。別室制はらくちんでいいように見えて、からだには無理がかかっているのです。

きちんとした母乳ケアのできる産院とは、そのような不自然なことをしないで、ひとりひとり個別に飲ませ方をちゃんと教えてくれて、いろいろな母乳トラブルを治す技術も持っているところです。退院後も「母乳外来」や「家庭訪問」でしっかり対応しているところなら、さらに安心です。

残念ながら、パンフレットに「母乳指導あり」と大きく書いてあっても、ビデオを見せておしまいのところもあります。どんな指導かを聞いたり、自分でも勉強して正しい知識を仕入れておく必要があります。

母乳は、対応が遅れている産院が多い分野です。

母乳ケアがない産院で出産し、退院後に困ってしまった時は、母乳外来がある他の産院へ行ったり、助産院や出張専門の開業助産婦さんを訪ねてみましょう。

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