【第2回】『どこで生む?』

山本智美:助産師日記

ベビカムコミュニティ*を見ていると病院を変えることを遠慮していたり、病院探しが大変だったりしている方が多いなと実感しました。そこで今回は『どこで生む?』と題して、出産施設を選ぶための心構えや選び方をお話ししましょう。

あなたにとってのいい病院は?

よく、いい病院を知らない?と聞かれますが、私は「あなたにとって、いい病院の条件は」と反対に質問します。人によって“いい”という基準が違うと思うのです。だからまず、自分なりに自分の妊娠生活・出産・育児を想像してみましょう。…相談できる助産婦さんがいないと不安・待ち時間が長いとダメ・出産スタイルは自分で選びたい・上の子と一緒に入院したい・母乳指導が充実していないとイヤ…自分なりに「これだけはこだわりたい」というものが出てくると思います。それからが施設選びです。もしかしたら、通院している方で施設を変わりたいと思っている方もいるのではないでしょうか。出産施設を決めるのは、生むみなさんです。我慢する必要はありません。遠慮せずに新たな施設探しをしてください。

  • その時気をつけてほしいことは、
  • 1)選択肢の中に今の施設も入れること。いやだと思って変わっても、結局以前の方がよかったということもあります。
  • 2)次の施設が決まったら、先生に紹介状を書いてもらう(いやなので変わりますと言うよりも、その施設にない条件の方を重視したいため変わりますと言った方がよいですね)。
  • 3)今までの検査について、結果も含めてコピーか記入をしてもらう。次の施設で重複しないように。

施設を変える時は、施設によって分娩予約の期限があるものや、妊娠後期は受け入れないものもありますので注意をしてください。それでは、施設を探すためにはどうしたらいいでしょうか?電話帳が手っ取り早いですが、電話帳だけでは情報不足です。最近、出産施設の情報誌が出ています。これは情報としてはありますが、たまに、こんなこと書いてなかったよ!ということも…。いずれにしても電話をしたり、訪問して話を聞いて、施設を決めた方がいいかもしれません。あとは口コミがあります。実際に出産した方から聞くことをおすすめしますが、「よかったよ」「おすすめ」だけではダメです。どのようなところがよくて、すすめたいのか。自分の条件については、どうだったか。ということをきちんと聞くことが大切です。

ベビカムコミュニティを見ていると、引っ越しして周りに知っている人がいない方も多いようです。そういう時は、このようにインターネットの中で相談できるコミュニティを利用したり、保健所の保健婦に相談したり、育児サークルなどの自主グループ(最近は全国的にあります)に相談したりするのもいいと思います。最近は妊婦さんや子育て中の方を対象にしたイベントが多くあります。そこには必ず、みなさんの役に立ちたいと思って来ている助産婦がいるはずです。思い切って声をかけてください。助産婦って、根っから世話好きが多いから、何らかの情報が得ることができます。出産施設は色々あり、それぞれに長所・短所があります。自分の性格・出産に対する思い・妊娠中の経過を加味して、自分に合った施設を選びたいものですね。しかし、これが実際にないのも事実なんですが、自分が選んだところです。自分を信じて医者や助産婦と信頼関係を築くのも、1つの方法かもしれません。

*ベビカムコミュニティ:「ベビカム」 の中にあり、会員同士で相談や意見交換ができます。山本さんも参加しており、彼女から直接アドバイスなどをもらえることも…

助産院で出産を、とお考えの方のガイドブックとして「全国助産院マップ 1997年度版」などもある。この本の発行元の社団法人 日本助産婦会では、あなたの近くの助産院(全国)の紹介などもしてくれます。 (問い合わせ電話 03-3262-9910)

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