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金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう
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家族の健康を守るのはママの役目よ

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

今回はみなさんに、妊婦が貧血にならないようにするにはどうすればいいかをお話しする約束でしたね。

貧血防止に手作り料理のススメ

「貧血」になると、めまいや息切れがしたり、疲れやすくなったり、妊娠中毒症になってしまうことも。もともと貧血気味の人やダイエットをしすぎた人ならなおさら。貧血を防ぐには、やはり鉄分が不足しないように、三度三度の食事でしっかりととることです。妊娠中は特に、あなただけのからだじゃない。おなかの中にいる赤ちゃんがいることをお忘れなく。

ここで注意。鉄分の多い食品だけをとればそれでいいという訳ではありません。

よく1日30品目をとるようにと言われるけど、それはいろいろな食品をとれば、いろいろな栄養が摂取できるから。例えば今回紹介したコールスロー(P.15参照)を考えても、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、サラダ油で4品目。みじん切りのパセリを加えれば5品目。せん切りのキャベツだけより4品目増えていますよね。数多く品目をとるには、外食やインスタントでは不足しがち。やはり自分で作るに限ります。

ヤンババの智恵を披露します。

おかずを外に持ち歩く時、容器の隣には前日から冷凍庫に入れておいた缶の野菜ジュースなどを入れておくだけで、保冷剤代わりに。解凍したところで飲めばいいしね。ハイキングや子どもの運動会の時など、お試しあれ。

料理してくれる人の言うことは聞くものよ

こうしてみると、食べものの食べ方は「生き方」にも通じると思いませんか? 例えば胎児にやさしい食べもの、成長期の子どもに適した食べ方となると、その目的に合わせて作るしかないと思えるでしょう。不特定多数のための既製品を、個々の思いに合わせようとするのは無理があるのもおわかりになりますね。何のために食べるのか、まず目的を明確にしましょう。人によって思うことは違うのでしょうが、目的が決まったら次は手段でしょう。そうなると娘時代に台所に立たなかった人は、何をどうしていいかわからない。そこで使うのが頭です。今までの経験の少ない人生で、ベテラン主婦のように何ごともすらすらとことが運ぶ訳がありません。勉強しましょ! その気になれば情報はいくらでも入ってきますよ。それに生まれてこのかたいろいろと食べてきたのだから、舌で覚えた記憶も役に立ちますね。何年か経った時、できあいで売っている「フクロの味」ではなく、「おふくろの味」と称されるようになってください。

塩分や鉄分やカロリーのことを考えたり、食事に気をつけるのは、夫や自分自身の生活習慣病予防にもなります。離乳食をきっかけに一家で薄味に慣れておくのもおすすめです。家族の健康を守るのはママの役目なのよ。 手間ひまかけて、頭を使って家族においしいものを食べさせる。妊婦時代は自分中心の生活から家族のことを考える生活への絶好の転換期ですよ。

くれぐれも「今日は夫が出張でいないから、夕食は簡単でいいや」なんて思わないこと。自分1人のからだではないのよ。おなかの中の赤ちゃんのためにもしっかりと食事をとる責任があるのですから。

駅などで地べたに腰を下ろしてたむろする「ジベタリアン」の若者がいますね。彼らは食べるものがよくないのではないかしら。スナック菓子は油と塩分が多く、食べればのどが渇く。そこで飲むのは糖分だけの飲料。こういう食べ方をするのは、彼らが幼い時から「食」に対する正しいあり方を親から教わっていないのでしょうね。もし、その油が酸化していたらどうなるのか。動物実験では酸化したものを与えると成長が止まると言われています。恐ろしいことです。自分の子どもをそんなふうにしたくないでしょ。 そう思ったらお母さんがまずしっかり作って食べることよ。何十年もの食のつみ重ねが、成長を支えるのよ。

妊婦はレシピより、栄養を学べ

何も難しい料理を作りなさい。とは言いません。私は「レシピより食物のとり方」を学んでほしいのです。何を、どんな成分を食べるかを考えるための資料として一家に1冊置いてほしいくらいのおすすめの本があります。それは「ベターホームの食品成分表」。はしからはしまで読もうなんて思わなくとも、例えば「鉄」の成分のページだけでもにらめっこしてごらんなさい。いろいろなことがわかってきますよ。

今回の直子先生おすすめの本はこれ

直子先生おすすめの本 直子先生おすすめの本

「ベターホームの食品成分表」

財団法人ベターホーム協会 編

ベターホーム出版局刊 税込み 1,000円

日ごろ食べる量の栄養成分がすぐわかる本


直子先生のあまりにも簡単な、妊婦にやさしい調理レシピ・3

緑黄色野菜を使ったコールスロー

にんじん50g、玉ねぎ100gは薄いせん切りにし大さじ3杯程度の塩でよくもみ、水気と塩気をしぼり、ボールに入れます。お酢1/2カップ、サラダ油1/3カップを入れ、手でかきまわし、隠し味に砂糖ペットシュガー1本分を入れ、味をみます。主役のキャベツ500gは芯も捨てずに、つけ合わせにする程度のせん切りに。水気をよく切り、ボールの中に加え、もむようにして漬け、おもしをして30分でできあがり。冷蔵庫で2・3日は保存可。サンドイッチの中身にしてもおいしい。

妊婦にやさしい調理レシピ材料はこれだけ 妊婦にやさしい調理レシピ塩でもむと、こんなにしんなりとします
妊婦にやさしい調理レシピおもしがない時は、コールスローの上に直接ラップをかけ、水を入れたボールを置いてもOK。 水はこぼさないように 妊婦にやさしい調理レシピ

(1998.10)

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