おいしく食べるための「知恵」

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

朝、トントンという音で目を覚ますと、しばらくして大根のみそ汁の匂い。急におなかがすいて跳ね起きてしまう…。私の幼い日の思い出は、何かというと食べ物に結びついています。人は誰もが健康で過ごしたいと願っています。その土台になっているのが栄養であり、それを支えるのが日常の食生活。お母さんの責任は重大ね。妊娠したその時から、それはもう始まっています。

よく、簡単にできておいしい料理は? ときかれるけど、私だったらこう言います。「手をかけたものはおいしい!」「知恵を使って、材料を選んで、新鮮なもの、旬のものを、手間ひまかけて」…。私は食べ物の食べ方って、人生観そのものだと思うのね。たとえば、時間がかけられない代わりにお金をかける、それも、その人の価値観。子育てと同じで、今日これを食べたからといって、明日すぐに結果が出るものではありません。でも子どもが健やかに育ってくれることを願わない親はいませんね。「知恵」は使いましょうよ。「知恵」が子どもを育てます。

ヤンババ知恵袋

「ま・ご・は・や・さ・し・い」この一品
 め
 ま
(わ)かめ(海草類)
 さい
 かな
 いたけ(きのこ類)
 も

これは、バランスのよい食生活の呪文。

あなたはここからどんな食事のメニューを思い浮かべますか?

これからママになる人、子育て中のママ、いつもこの呪文をとなえて一日の食事にこれらのからだにいい食べ物を、バランスよく取り入れましょう。

今回のテーマは:「ま」め

豆はマメ科の植物の種子で、新しい生命の源。それだけに生命力にあふれ、栄養価も優れています(別表参照)。また、食物繊維が腸の運動を活発にし、便秘を防ぐ働きもあります。中でも「大豆」は“畑の肉”といわれるだけあって良質のタンパク質が豊富。肉に比べて脂質が少なく、低エネルギーです。妊婦さんにもぜひ取り入れてほしい食材です。

白和え

・豆腐1丁
・白ごま 大さじ3
・さとう 大さじ2
・塩   小さじ1/2

1 豆腐はさっとゆでて、キッチンペーパーなどで充分に水切りしておきます。
2 すり鉢でゴマをよくすり、下ごしらえした豆腐、さとう、塩を加え、豆腐をつぶしながら混ぜ込みます。これが白和えのベースになるものです。

〈白和えの具〉人参、小松菜、ほうれん草、インゲン、こんにゃく、きくらげなどを細切りにし、あらかじめ作りおいただし汁で薄味をつけてサッと煮、水分を切っておいたものを和えます。彩りよく、季節の素材を組み合わせましょう。

<主成分>
タンパク質 35.3%
脂質    19.0%
炭水化物  28.2%
<100g中の含有量>
カルシウム 240,2mg
マグネシウム 220.2mg
鉄      9.4mg
亜鉛     3.2mg
ビタミンE 3.6mg

豆・豆・豆腐

<材料>
・ 豆腐1丁
・ 納豆1パック
・ みそ汁のつゆ (だしを濃いめにとり、みそを溶いたものを冷蔵庫でよく冷やしておきます。お味噌汁の残りでもよい)
・ 季節の薬味(大葉、ミョウガ、青ネギなどお好みでたっぷり)

ありきたりの冷や奴にもう一工夫。豆腐の上に納豆を乗せ、冷たいみそ汁をかければでき上がり。「豆」が三拍子そろって栄養たっぷり、食の進まない時にもさっぱりといただけますよ。

かぼちゃのいとこ煮

<材料>
・ かぼちゃ小1/2個
・ あずき カツプ1/2(水煮を使ってもよい)。
・ めんつゆ カップ1 1/2
・ 蜂蜜少々(※注 1歳未満の子に食べさせる場合は砂糖で代用。はちみつに混じっていたボツリヌス菌から乳児ボツリヌス症にかかった例が報告されており、厚生労働省では1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないようにと指導しています。)

1) かぼちゃは種をとり、3cmの角切りにする
2) あずきは洗って水カップ4とともに火にかけ、煮立って来たら2?3度さし水をして踊らぬように中火で煮る。
3) 8分通り煮えたらカボチャを入れ、めんつゆ、蜂蜜を少々加え、焦がさないようにふっくらと煮上げて火を止める。
4) あずきの皮が破れ、煮汁を含むまで蒸らしておく。
小豆は甘く煮るだけではなく、こんな風にお惣菜にも取り入れてみては。昔から親しまれて来たお惣菜のメニューです。

(2005.08)

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