子どもがちっともじっとしていないで動きまわるからって、怒ってばかりいませんか? お友だちがいれば「やんなっちゃうわよ、うちの子全然落ち着きがなくて」「あら、うちもよー」なんて言って終わるんでしょうけど、そう言い合える友だちがいないお母さんの中には、多動児なんじゃないかって心配する人もいるみたいね。でもそんなの嘘。子どもに落ち着きがないのはまったく正常な行為なんです。
小さな子どもは内臓の働きがまだ完全じゃないの。だから、しょっちゅう立ったり座ったりすることで、ポンプのようにして足に降りた血液を胴に戻してるんです。これは「骨格筋ミルキングアクション」という言葉があるくらい、とっても普通の行動なのよ。 全体的に男の子の方が女の子よりもよく動くけれど、それは女の子の方がからだが強いから。女の方が生まれつき生命力が強いってことね。だから子どもがそわそわしてばかりだとしても、やたらに怒ったりしなくていいんです。
言葉が通じない時期でも本気で叱れば通じます
もちろん子どもに好き勝手にふるまわせなさい、ってわけじゃないのよ。ときどき「子どもにどうしてあげたらいいでしょう」なんて相談してくる人がいるけれど、その言葉がそもそも変。自分が親なのに「してあげる」っていうのはおかしいでしょう?まるで義務感で育児をしてるみたいです。そんな言葉を使ってるから子どもに引っ張りまわされることになるの。動き回るのが自然なことだとしても、社会のルールを破らせてはダメ。たとえばものを壊したり、信号を無視しようとしたときにはしっかり叱りつけなくちゃ。
1~2歳児には言葉が通じないなんて言う人もいるけれど、真剣になって叱ればちゃんと通じますよ。 私自身、子どもが信号を無視したときにはその場でズボンを下ろしてお尻をビシッと叩いたことがあるの。虐待なんかじゃありませんよ、ちゃんとしたしつけです。おかげで息子は今でも、信号を無視しようとするとお尻にピリッとくる、なんて言ってます。もういい年なのにおかしいわね。
一瞬でもルンルンできればイライラなんて解消できます
叱り方もただ厳しくすればいいってもんじゃないのよ。イライラを子どもにただぶつけちゃダメ。イライラは旦那さんや子どものせいじゃなくて、自分の心が貧しいからなんです。1日のうちに一瞬でもルンルンできると、心の持ちようは違ってくるわよ。たとえば子どもと一緒に月や夕日をゆっくり見て「きれいだねえ」って言い合ってごらんなさい。それだけで毎日の生活に張りが出ますよ。そうしていつかは私みたいに、孫から「月がきれいよ」って教えてもらえるときがくるのよ。親になった喜びって、そうやって長年かけて巡ってくるんです。
子どもをしつけるときの私の持論は、「恋愛上手は子育て上手」。恋人におねだりしていた頃を思い出して子どもとかけひきしてみて。「○○くんがこうしてくれたらママうれしいな」なんて子どもをのせると、案外思ったとおりにやってくれるもの。親として、子どもに振りまわされないでどっしり構え、上手にかけひきしてちょうだいね。
(2005.5)