あなた、心臓いくつある？
「心臓いくつある？」って聞かれたら、あなたならどう答えますか。私は教室にやって来る妊婦さんによくこんな質問をするんです。はじめての妊娠で、まだ初期の人はみんなきょとんとして、「えっ？なんでそんなこと聞くの？心臓はひとつでしょ」って顔します。でも、妊娠8カ月ぐらいになると違うわね。お腹にもう一人いるってことが、実感できるようになるのね。こうして、母親になっていくの、みんな。あなたはどうかしら？
妊娠中の飲酒について
さて、ある妊婦さんから、相談室にこんな質問がありました。
妊娠中の飲酒について
妊娠中に飲まない方がいいのは知っていますが、あるサイトで「どうしても飲みたいときはノンアルコールビールなどを。」と書いてありました。しかし『ノンアルコールビール』の中でも0.5％や0.1％などのものもあります。これらは飲んでも胎児に影響ないのでしょうか？私は妊娠前は毎日晩酌（ビール350ml1本～焼酎ロック1杯程度）していましたが、妊娠がわかってからは全く口にしていません。家では飲む気になりませんが、飲み会などには行きたいので、そこでガマンできるかどうか自信がありません。。
ヤンババはどう考える？
私ならこう答えます。「あなたには心臓が“2つ”あるんだから。あなたはもうひとつの心臓を守らなきゃいけないのよ」って。母親には守る義務があるのです。これは我慢というんじゃなくて、考え方だと思うのね。まだ見えない命をどうやって育もうかという、考え方の問題。
飲み会に行きたいという気持ちはよくわかります。時にはストレスを発散したくもなるでしょう。でもそのくらいだったらだいじょうぶよ、とは私は決して言いませんよ。考えてみてください。お腹の中の赤ちゃんがどうなっているか、自分だってわからないのに、飲み会に参加する回りの人がどれだけ実感できるでしょう。周りの人はあなたひとりとしかみていないでしょう。そういう場に出かけていくこと自体、ある意味で危険。まず、飲み会に行くことをやめましょうよ。
ノンアルコールとは？
日本の酒税法ではアルコール1％未満は「お酒」と表示することが認められていません。ですからお酒＝アルコールと考えると、「ノンアルコールビール」などはお酒ではないということになります。でも、決してアルコールが全く入っていない訳ではないのです。妊婦さんにはやはりおすすめできません。妊婦の飲酒については、お医者様も止めています。胎児に影響があるとあなたがわかっているのなら、おやめなさいな。
後悔先に立たず
妊娠したからにはそれだけ人間としての責任があるじゃない。そうなれば自分のストレスなんかは後回しになると私は思うのね。何かあったときに、後悔するのは自分。あとになって自分を責めるストレスのほうがよっぽど大きいわよ。後悔先に立たずというじゃない。お腹にいる赤ちゃんはモノを言いません。でも生む前の母親の姿勢、それはあとになって出てくるものですよ。開き直らず、一歩一歩、段差を確かめるように考えてみてほしいのね。
（2005.2）
