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相談33 子どもの「なんで?」「どうして?」にどう対応すればいいの?

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

3歳になる長男はおしゃべりが上手なのですが、最近では何かにつけ「なんで?」「どうして?」と聞き返してきます。それが、本当に知りたいことだけでなく、聞くまでもないようなことさえも聞いてくるので、正直、辟易(へきえき)としてしまいます。「あなたはどう思う?」と投げやりに返してしまったり、「本当に知りたくて聞いているの!?」と声を荒げてしまうことも……。どうしたらよいのでしょうか。

ウィットに富んだ答えを

「なんで?」「どうして?」と子どもに聞かれたらうれしいと思いましょう。子どもがいろいろなことに興味を持つということはとてもいいことですよ。子どもは明らかに母親との会話を続けたいと思っているのね。でも、子どもを育てるのは母親だけではありません。母親に向かっている子どもの意識を母親以外の人間に向かせるようになさい。そのためには、おじいちゃん、おばあちゃんやご家族など、周りの人間から協力を得るように、あなたが働きかけてごらんなさい。

また、子どもへの対応の仕方は大人とは違います。すべてをまじめに、学術的に答えることはありません。すべてを正しく、きまじめに答えようとすると、くたびれてしまうし、答えに行き詰ってしまいます。といって、投げやりな受け答えはよしましょう。いい意味で「いい加減」に、詭弁(きべん)でもいいから、ウィットに富んだ答えができるようになるといいと思います。

童謡や絵本から学ぶ、発想の転換

ウィットに富んだ答えをするためには、あなたの今までの生活経験からすべてを答えようとするのは至難の業。常にアンテナをはって、いろいろなことに興味を持つことが大切です。それと、童謡や絵本からはたくさんの遊びや発想の転換を学ぶことができます。

例をあげてみましょう。

『赤い鳥、小鳥、なぜなぜ赤い。赤い実をたべた』(*)という歌がありますね。「赤い実を食べたから体が赤いなんてウソォ!」と言ってしまえばそれまで。それこそ夢も希望もない会話になってしまいます。そこを続けて『白い鳥、小鳥、なぜなぜ白い。白い実をたべた』と歌ってしまうことによって、なんだか真実のように思えてくるから不思議です。そう、自分が思っているように、子どももその気にさせてしまうのです。これはお互いが楽しくなります。もっとも、楽しくさせるにはタイミングが非常に重要です(私の場合は、タイミングをつかむために、歌舞伎や落語、音楽の指揮、舞台劇などが役に立っています)。一休さんの知恵比べのようなことを日頃から訓練しましょう。

言葉のキャッチボールを楽しんで!

また、どうしても答えに困ったら各自治体などが実施している「子ども相談室」へ相談することをお勧めします。私もずいぶんお世話になりました。学術的、専門的にもお答えいただけますし、ウィットに富んだお答えをいただくこともできます。

子どもの「なんで?」に対して、答えなきゃ!と思わず、会話を楽しんでほしいと思います。息子さんが3歳という時期は今しかないのよ。ハウツー本ばかり読むのではなく、お子さんの心をキャッチして、言葉のキャッチボールを楽しんでほしいと思います。

そして、子どもの頃にどんなことに興味をもったかを記録しておいて、彼らが大人になったときに見せてあげましょう。「おふくろ」を見直すこと、請け合いです。

  • * 『赤い鳥小鳥』
  • 作詞 北原白秋/作曲 成田為三
  • 大正9年9月1日(1920年)
  • 『「赤い鳥」童謡 第三集』

(2004.11)

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