ベビカムトップ
>
金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう
> 相談32 子どもがご飯を食べてくれなくて……

相談32 子どもがご飯を食べてくれなくて……

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

30週で1010グラムで誕生した、2歳4カ月の男児のママです。今の悩みは食事のこと。

普通、幼児が好きそうなハンバーグ、ケチャップご飯、ナポリタンスパゲティ、カレーライスなど、まったく食べてくれません。最近ではパンもいやがり、食べてくれるものが決まっています。来年からは幼稚園で給食があるので、今から心配です。周囲に同じような悩みをもった人がいないので、誰にも相談できずにいます。

ヤンババはどう考える?

予定日より10週はやく生まれたたということは、実際の月齢で考えるよりも2カ月ちょっと差し引いて考えなければならないですね。食べてくれるものが決まっているとありますが、親が決めてしまっているのですよ。もっと食べ物に対して、工夫を凝らしてあげる必要があります。

離乳食(幼児食)を濃い味付けにすると好き嫌いの原因になります。食べ物の本来の味を生かすようにしてください。それと、レトルト食品や粉末の「ダシ」は使いません。添加物や過剰の塩分も気になるし、どうしたっておなじような味になります。

幼いころの記憶

私が幼かった日の夏のおやつ。母の手作りの「白玉じるこ」は60年以上経った今でもその味を鮮明に思い出すことができます。毎日めいっぱい海で遊んでから、家へ帰ると、はだしのまま縁台に腰かけて、母の作った「白玉じるこ」や井戸の中につるしておいた、冷えたスイカや梨、桃、まくら瓜など、汁をしたたらせながらほお張ったものでした。飲み物は決まって麦茶。食べている途中で寝入ってしまったことも度々ありました。目を覚ますころには夕飯の仕度にかかっているのか、「だし」をとるいい匂いがしていたことを今もはっきりと覚えています(これをまねて、私も子育て中は、朝早くお茶を焙じて、家中にいい匂いをまき散らして、子どもたちを無言で起こしたものでした)。そう、子どもが母の愛を肌で感じるのは、何といっても食べ物が一番でしょう。

味覚の基本は「だし」

日本人の味覚の基本となるのは、「だし」です。上手にとった「だし」を使って調理すれば、薄味に仕上げることもできるばかりか、濃い味付けによる好き嫌いをなくすことにもなります。さて、その基本となる「だし」の取り方をお教えしますね。

材料(出来上がり5カップ分)

  • ・だし昆布………8センチ
  • ・削りかつお……20グラム
  • ・水………………5リットル

つくり方

  • [1]鍋に水と昆布を入れる。
  • [2]弱火にして10分ほど火にかける。沸騰直前に昆布を取り出す。
  • [3]鍋はそのまま火にかけて沸騰させる。沸騰したら火から外して1/2カップの差し水をして、いったん温度を下げる。
  • [4]削りがつおをかたまらないようにほぐしながら鍋に入れる。
  • [5]もう一度、1/2カップの差し水をしたら削りがつおが沈むのを待つ。
  • [6]こし網にふきんやペーパータオルを敷き、静かにだしをこす。

冷蔵庫で保存するのは3日間くらいが目安ですが、冷凍庫に1回分ずつ分けて保存しておくと、便利ですよ。

夏の間、熟したトマトは安く手に入るので、湯むきをした後、ザクザク刻んだものを煮ておくと、ケチャップほど甘くなく、「本物の味出しちゃってます!」とうれしくなること請け合いです。何もかも手作りでとは言いませんが、基本だけはしっかりおさえてください。そのためには、五訂「食品成分表」を手元に置くこと。これ一冊で食生活の知識や知恵を勉強することができます。

それとね、暑い夏の日に火の側にいると大量に汗が出て、その後はすっきり涼しくなりますよ。お試しください。

(2004.08)

他のアドバイザーのコラムを読む

レギュラー

ゲスト

powerd by babycome