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金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう
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相談29 順調だった離乳食なのに突然食べなくなりました

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

私は36歳。1歳3カ月の男の子のことで相談します。離乳初期から今まで、食欲モリモリ、何も問題もなく来たのですが、最近、口に入れたものを手で出して、床にまき散らすようになってしまいました。お肉もお魚も、ご飯もパンも。そして野菜も。大好きだったメニューも「ぺっ」とやられてしまい、困り果てています。ちなみに牛乳や果物、おやつのビスケットなどは大丈夫です。

今のままでは明らかに栄養不足。こうなってしまったキッカケも特に覚えがないのです。どうしたらよいでしょうか。

ヤンババはどう考える?

-刻々変わる子どもを見据えて-

あなたと赤ちゃんの関係が変わる根本的なキッカケをお伝えしますね。それはあなたが子どもの成長にきちんと目をむけること。子どもは日々発育しています。昨日までそうだったからといって、今日そのままということはない。1歳過ぎれば知恵もついてきている。食べ物の好みだって変わるもの。昨日までの大好物が今日の大好物とは限りません。

子どもは成長し、変わる、という当たり前の現象を、あなたがきちんと受け止めましょう。日々成長していることを喜び、親たるあなたも対応を変えていってください。

離乳初期「食欲モリモリだった」とありますが、人間誰しも、これまでおっぱい一色だったのがそれ以外のものがくれば楽しいじゃない?そのころは、目新しく、自然の要求にかなったからどんどん食べたのね。いまは文面から、何がなんでも栄養をとらせたいという「義務感のオーラ」を感じます。当の本人はそれを強ーく感じているのでしょう。それで「イラナイ」となっているのよ。

さてどうする、お母さん。もちろん、子どもの一枚上手を行かなくちゃね。対策を考えてみましょう。

子育ては知恵くらべ

対策その1 家族一緒に食事する。

やっぱり食事はひとりじゃつまらない。父親が一緒ならベスト。それがむずかしければお母さん、あなたが一緒に座って、子どももじっと座らせて食事をします。あなたは心底食事を楽しんでください。その楽しさにつられて子どもも楽しさを感じ取ります。

対策その2 食事を演出する。

いちどきにすべてを出す方が楽でしょうが、少しずつ出し、なくなったらお代わり、という風にします。いわば懐石料理の赤ちゃん盤ね。お買い物でも「あと何名様限定です」と言われると買いたくなる心理は子どもも同じ。

たくさん盛られてどんと出されると、いくら栄養があっても、食欲が減退するもの。

器を工夫してもいいですね。要はいかに、食べたいという気持ちを引き出すかですよ。

「ちょっとずつ、出すなどの手間ひまはかけていられない」そんな悲鳴も聞こえてきそうね。そんな場合は次の対策よ。

対策その3 食間におやつを与えない。

徹底的に子どものおなかをすかせます。

対策その4 食べ物を投げてもさわがない。

子どもが口に入れたものをポイポイ床に投げ捨てた時、「キャー何するの!」などとさわいでいませんか。子どもは、親のうろたえた顔、怒った顔の反応がきっと面白いと思っているはずよ。

対策その5

遊びはじめたら、対策5を。1歳3カ月といえば、そろそろ歩き出せる頃、探検したくてしかたない年頃でしょうが、遊びはじめたら、さっさとお膳を下げてしまうこと。

途中で片付けたら、子どもは文句を言うかもしれませんね。言わせておきなさい。「お父さんとお母さんは座って食べているんだから、遊んだ人の食事は片付けます」と毅然とした態度をとりなさい。「あなたが食べないと家計も助かるわ」と、本気で思うくらいに接しなさい。これを繰り返せば、下げられたくない時は、遊ばず神妙に食べるでしょう。

念を押しますが、せめて牛乳だけでも、といった「せめて」の情けは無用ですよ。ここまで貫けば、食べ物を食べてほしいという思いはきっと伝わります。

この赤ちゃんも、さらに成長し、外で遊ぶようになったら、だまっていてもよく食べ、夜はコロッと寝てくれるようになりますよ。

(2003.11)

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