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相談28 親戚含みの温泉旅行 6カ月児連れに気が進まなくて

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

主人の実家とその親戚で泊りがけの温泉旅行に誘われました。

私としては、生まれて6カ月の子どもをまだ旅行には連れ出したくないと思っています。ところが主人のいとこに我が子より3週間ほど早く生まれた子どもがおり、その子が行くのだからこちらも行って当然でしょうという雰囲気なんです。

温泉に行っても子どもは内風呂でしょうし、とても激しく人見知りをするので夫以外に預けて温泉に入るのも嫌なんです。

また現在離乳食を2回食にしているのですが、ベビーフードがあまり好きではないらしく、手作りのものしか食べてくれません。

旅行中の食事のことを考えると子どもがかわいそうだと思うのですが、どうしたらいいでしょうか?

ヤンババはどう考える?

結論から伝えましょう。この場合、いやいや行くことはありません。

子どもに関しては、自分の子どもを見ている親のみきわめがいちばん正しいものです。いとこの子が大丈夫でもお宅の子どもとは別人です。個人差というものもあります。

生後6カ月なら、自分自身で移動するのもままならない時期ですね。ハイハイもまだというのが普通でしょう。自分の意思で動けない状態の子どもにとっての旅は負担の方が多いとは思いませんか?

今もある、母子相互作用

母親の心が子どもに伝わる、母子相互作用という言葉を聞いたことがありますか?昔から言われていることですが今でもこれは厳然と存在します。もし母親がその旅行を「いいこと」「楽しいこと」と思っていれば、それは子どもにとっても「いいこと」になります。しかし、母親が不安を抱えながら気にそまない旅行に行くとなれば、それはてきめんに子どもに伝わります。母子ダブルでおもしろくないでしょうね。

あなたが食事のこと、手作りの離乳食を大切にしていることには大きな拍手を送ります。食べ物のことを大切にするあなたの態度は立派です。手作りはいいですね。子どもがベビーフードを受け付けないのも、正しい味覚が発達している証拠かもしれません。その態度を貫きましょう。

だいたい、他の子どもが行けるからお宅も行けるでしょうなんて言ってくる方が間違っています。夫君にあなたの思いを伝え、断ってもらいなさい。「我が子はいまの時期、旅行するのはまだ心配ですから」ときっぱりと。それがわからないような夫では困りますね。夫婦して親の立場でじっくり話し合ってください。

防波堤としての親の役目

夫の実家や親戚からの評判が悪くなる? そんなことはとるに足らないと思います。それを気にしてかんじんの我が子の体調が崩れたら、「家族っていったい何なの?」ということになりますね。あなたの子どもを守るのは夫の実家でも親戚でもありませんからね。自分の意思を持って、それがゆらがないようにしていきましょう。

生後6カ月ごろの子どもでは3週間でも大きな差がありますし、もちろん個人差もあります。子どもを守るのは親の務めです。それこそ、わが子の前に立ちはだかる防波堤になってあげなさい。

 不本意ながら行った旅先では、母子ともに体調が崩れやすくなります。おっぱいの出も悪くなるし、子どもは熱を出したり、便秘をすることもあるでしょう。心にそまない無理をするのは無意味というものです。そんなつまらないことに神経をつかわないで、もっと子どものためになることを両親で考えて行動しましょう。

食事のことなどいい愛情表現をきちんとできているあなたにはぜひ、頼りがいのある防波堤となって子どもを大波から守ってほしいと思います。

ただし、これが逆に母親自身が行きたい旅行の場合はまた話はかわります。ここに行けばあなた自身が楽しくなれるというところがあるとします。または自分で設定したとしても。そういうところは同行した赤ちゃんもルンルンになれるもの。こちらはどうぞどうぞ、行きなさいとすすめますよ。

自分のしたいことをすると、家族にやさしくなれます。もちろん、自分のやりたいことを実現するためにはふだんの生活もメリハリをつけて楽しいものにしてくださいね。

(2003.08)

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