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金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう
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ヤンババ登場

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

昼食会

私は毎週月曜日と金曜日、妊婦水泳を教えたあと、昼食会を開いて妊婦たちとそれぞれ持参のお弁当を囲んでいます。私の手づくりのおかずも食べてもらいながらみんなの心配ごとに答えたりして、15年が過ぎました。そんな経験から未来のパパとママたちへエールを送ります。エールと言っても甘やかすわけじゃないわよ。2万人以上の妊婦さんたちとつき合ってきたからこそ言える、辛口のメッセージもありますよ。今回は、ベビカムOnlineの中のベビカムコミュニティに寄せられる妊婦さんのメッセージを拝見する中で気になることがあるので、そのことから。

あえて言います。里帰り出産反対

何人かの里帰り出産を検討されている方のメッセージを拝見しました。いろいろ事情もあるとは思うけど、里帰りしようかどうか迷っているのなら、結論から言うと、私は里帰り反対派。一番の理由は産後1カ月間にこそ、パパとママが協力して人間としての初心者の赤ちゃんに接してほしいからです。

産後1週間ほどの入院中はママも赤ちゃんも病院のスタッフに見守られていますが、問題は退院後家に帰ってから。助産婦さんたちとも離れ、新米ママは慣れないことだらけ。里帰りしてお母様のもとで1カ月ぐらいは過ごそうと考えたくなることもわかります。でもちょっと待って。子育てはそれからずっと続くのです。生後1カ月の赤ちゃんのめざましい成長ぶりを、夫婦揃って苦労を分かち合いながら見つめてほしいのです。確かに大変、でもだからこそ、そこを2人でふんばれば、夫婦としてあとあとの自信にもつながりますよ。例えばベビーバスでの入浴時間だって、昼間にこだわらなくていいですよ。昼間じゃなくちゃと思うと、1人で入れられないから里帰りでと思う人もいますが、パパの会社帰りの夜中だって、朝出る前だっていいのよ。2人の「親」たちの都合にどうぞ合わせてください。外野のコメントに惑わされず「自分たち流」育児を貫いてください。一例をあげましたが産後の協力について、生まれる前から夫婦で話し合うことも必要ではないかしら。

もうひとつ。お里に帰るとあなたたち、ママでなく「娘」になりがちね。つい甘えてしまって、最悪のパターンは上げ膳、据え膳で、自身の体重管理にも問題が生じたり。いろいろな事情で里帰りする人もいると思うけど、その方たちも、自己規制するように覚えていてほしいと思います。

私はなにも、お里のお母様たちの協力をいっさい受けるなと言っているのではありません。可能な範囲で双方のお母様やご姉妹・親戚以外にも、お隣りさん・地域の保健婦さんなど地域の方々に手助けしていただかないことには新米ママも負担が大きすぎます。

核家族にしたのは私たちの世代ね

ただここで、私たちの世代からあなた方に謝っておかなければと思うことがあります。多くのカップルが核家族で、マンション住まいなどではないかしら。私たちの世代が、カギのかかる生活にあこがれて、引き戸でなくドアの生活が当たり前になっちゃった。その結果、今のカギのあるドアで仕切られ、地域と隔絶された暮らしにつながってしまっていると思うのです。

それでも妊娠して子育てする時にはご近所づきあいが必要になってきます。第一、赤ちゃんはまず夜泣きします。ご近所迷惑だと気兼ねしながら子育てするのは、ただでさえ負担の多いお新米ママたちの心の重荷になってしまうわね。妊娠してからでも遅くはないから、ご近所づき合いを。お里から何か送ってきたときのおすそ分けから始めてもいいのでは。「実家から送られてきましたので」などとリンゴの3つもお渡しし、そのついでに「こんど赤ちゃんが生まれます。うるさくなると思いますがどうぞお許しくださいね」とお隣の奥さんへ。そして生まれたあともご挨拶してみてはどうかしら。「この間顔見せのあった、お隣の赤ちゃん」が泣いていると思えば聞く方もいらだちが少ないものです。面倒見のいい奥さんだったらそのあともなにくれなく気にかけてくださるでしょう。なれなれしくしない程度にお手伝いをお願いするのは、あとはあなた方の才覚次第。がんばって。

でも、そんなお隣りさんがいないとお嘆きの方。他にも手は打てますよ。

ご近所のキーパーソンはどこに?

お住まいの近くに商店街はあるかしら?お米屋・お肉屋・金物屋・花屋・パン屋さんなど。スーパーでお買い物するうちのどれかをそういった商店街で買ってみてごらんなさい。そしてお店に気の合いそうなおかみさんがいたら、お会計のタイミングなどで思い切って心配ごとを打ち明けてみて。「こんどこの近くの自宅で出産するんです。実家の母には来てもらえないので、どなたか産後1カ月手助けしてくださる方がいればって思ってるんです。いい方いないでしょうか」。商店街の人たちって、地域の情報ネットがばっちり頭に入っている人が多いから、その場ですぐ答えられなくても、次にお買い物に行った時には「どこどこの○○さんがお子さんも手が離れているからお手伝いしてもいいって言っているわよ。こんど会ってみたら?」なんて紹介してくださることは実際にある話。困っている人を見捨てておけない人っているものです。「お互い様」、こんな言葉が生きている時代の人達の智恵とパワーを借りましょうよ。そしてお礼は、感謝の気持ちをね。あなたは次の世代へとお返しをすればいいのですよ。

まだまだ伝授するババの智恵はあるわよ。つづきはまた次回。


直子先生のあまりにも簡単な、妊婦にやさしい調理レシピ・2―鶏もも肉の同量煮―

鶏もも500グラム、皮をフォークでぶつぶつ。カップ1/4ずつ、同量のお醤油とお酢にスティックシュガー1本分(5グラム)を鍋にいれ、煮立てたところに皮を下にしたお肉を入れ煮ます。汁ごとさまし、煮凝りができたところで浮いた油をすくい捨てます。煮凝りも一緒に適当に切ってできあがり。肉汁のゼラチン質も楽しめるし冷たいままでもおいしいわ。お弁当にもいいかしら。

妊婦にやさしい調理レシピ 妊婦にやさしい調理レシピ 時々煮汁をすくってお肉にかけてあげると味がしみこみやすくなります。
妊婦にやさしい調理レシピ 妊婦にやさしい調理レシピ
妊婦にやさしい調理レシピ

さっぱりとサラダ風にいただいてもおいしいですね!

(1998.08)

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