3歳と1歳の子どもの母親です。今、お腹には3人目を妊娠中です。私は3人に同じくらいの愛情をかけてあげたいと思うのですが、実際にできるのか不 安です。
1番目と3番目は愛情がかかりやすいと思うのです。
でも2番目にはなかなか目が届かない……。そんな気がするのです。
私は平等 にしてあげたいと思うのですが、むずかしいのでしょうか。
ヤンババはどう考える?
「2番目ちゃん、いいわねえ」
目がとどかなくて、2番目のお子さんはいいわねえ。長子と末子には、どうしても手をかけたくなるものね。
今の世の中、母親が非常に密着して子どもと接しているから、「目が届かない」ぐらいが、のびのび育つわよ。また、一人っ子でも干渉しすぎないように、母親は抑えめにね。大人になってから、2番目の子どもに、「上の子や下の子より、受けた愛情が少なかった」なんていわれるのを心配しているのかしら?
兄弟の誰かだけを両親のどちらかが溺愛したりすると、その愛を受けていないと思う子どもが、精神的な不安や抗議の気持ちを持つこと、あるかもしれませんが、あなたや夫が、「平等にしたい」という気持ちを持っていれば、大丈夫でしょう。
むしろ、あなただけが3人の子どもをすべて面倒みようなんて思わないことね。愛情をそそぐのは、あなただけではないでしょう?夫だって愛情をそそぐし、あなた方夫婦のそれぞれの両親など、近親者、地域社会の人とのふれあいもあるでしょう?え?ない?より多くの人に会わせることをこそ、親のつとめとして心がけましょうよ。
平等って何だろう?
私には、2人の息子がいます。2人とももう成人して、それぞれ子どもがいますが 、私自身が「平等に」と思って育てたか、記憶をたどると、少なくとも、「食べること」「排泄すること」「寝ること」、この3つの生理的要求に関してだけは「等しく」接することを心がけました。まず、食べ物の量とか順番。2人同時におしっこがしたくなったら「今日は弟が先ね。次の時はお兄ちゃんが先」とかわりばんこにしたり。「眠い」これも待ったなしよね。「眠い」のに待たせるようなことは極力さけました。極端に言えば、食事、おしっこ・うんち、眠ること、これ以外は完璧な平等を目指さなくてもいいのではないかしら?
愛情って量れるものかしら?
愛情の多少なんて、誰にも量れないんじゃない?あなたが同じだけそそいでいるつもりでも、受け取る側は、「お兄ちゃんのほうがかわいがってもらってる!」なんて思っているかもよ。
むしろ、「みんな同じにしなくっちゃ」と思いつめないほうがいいのでは?同じ親から生まれても、子どもそれぞれの個性は違うもの。その子をよく観て、その時にベストな対応をとればいいのでは?
固定観念、捨てましょ
ところで、あなたが、平等にして“あげたい”と書いているのが気になりました。してあげる、という思いでいる限り、将来、「○○してあげたのに……」といった、うらみがましい発想があなたの中に、生まれないかしら?
子どもは「育ててあげる」ものではないと思います。自然に「育つ」もの。あなたの意志のままになるものではありませんよ。
「2番目には目が行き届かないもの」といった固定観念も捨てなさい。あなたに必要なのは、今、この時の子ども一人ひとりを「観る」という姿勢だと思いますよ。子育ては、一瞬一瞬で、いろいろ新しい局面に出会います。その時その時、じっくりとその事実をみつめて、心をこめて対応できるように、なりましょう。そうすれば大丈夫。
それぞれの子どもとあなた自身、夫自身がまっすぐに向き合う、という姿勢が大切だと思います。
※編集部より
2人目、3人目、これから家族に加わる、まだ見ぬ赤ちゃんを、あなたの家族は、どう迎えるのでしょうか?お兄ちゃんや、お姉ちゃんの心理ケアが大切だよ、とよく言われます。
子どもの目からみた、「赤ちゃん」への期待と現実を、子どもとともに、ちょっとだけ予習しておきませんか?
「おねえさんになるひ」 徳間書店・刊行 定価 1600円+税 ローレンス・アンホルト 文/キャサリン・アンホルト 絵/吉上恭太 訳。
(2000.10)