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相談7 「酢の物ばかり食べているから妊娠しない」と姑に言われました

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

31歳主婦です。私は「酢の物」がとても好きなんですが、先日姑に「そんな物ばかり好んで食べているから、妊娠しない」と言われてしまったのですが、ほんとなのでしょうか? 私は今年3月に11週で流産の経験があるのですが、そういった食生活の問題もあったのでしょうか?

 来月にはまた、子作りにチャレンジしたいと思っているので、相談にのってもらいたくて書きこみしました。

ヤンババはどう考える?

「酢の物で妊娠しない」わけないでしょう

相談を読んで、産婦人科の堀口先生とも話しあった結果をお知らせします。

「酢の物で妊娠しない」ですって?

もしもそれが本当だったら世のお医者様はこぞってそれを指導し、ニュースにもなるわね。「これが本当ならば、避妊法として中絶性交(膣外射精)よりももっと沢山利用されたのではないでしょうか」と堀口先生もおっしゃいました根拠はないはずよ、お姑さんも。堀口先生は「孫のほしい人にとっては自分と異なる志向・性向も嗜好も、何でも妊娠しない原因になってしまうんだよね」とも。

次元の低い話につきあわっちゃだめ

どうしてあなたはこんな次元の低い話につきあうの? そんな言葉に振り回されているあなた自身がかわらなきゃ、これからもいろいろな場面で同じパターンの繰り返しよ。

対応の1番。次元の低い話にはあなたがとりあわないこと。自分が食べたければ酸っぱいもの食べたらいいじゃない。私も流産の経験がありますからわかりますが、たしかに流産したばっかりの時は自分を責めるけど、子どもが戻らないんだからやめましょ。プラスにかえましょう。そのためには他人にも何にも言わせず、自分にも納得いくような体づくりよ。しっかりとした母体になる資格づくりをすること。

体づくりをするための勉強と実践を

「酢の物が好き」ということにはなんら問題はないでしょうが、「酢の物ばっかり」の「ばっかり」という言葉が気になるわね。もしかしたら、ダイエットなどで偏食していますか?レタスなど生野菜ばかりたべて「野菜はしっかりとっています」という女性をよく目にするけど、それでは栄養のバランスは悪いのよ。煮野菜を取り入れて、タンパク質など必要栄養をとりいれてこそ、からだはつくられていきます。「子づくり」考える前にあなた自身の「からだづくり」なのよ。しっかりとした母体でないところに赤ちゃんが宿ったら、それはその子もがかわいそうです。

母体予備軍としては、いまのうちにとことん勉強しなさい。からだのしくみ、妊娠のしくみ、食べ物の大切さを。勉強したらお姑さんにも食べてもらいなさい。自信がついたら、お姑さんに言われても動じなくなるし、姑も口をはさめなくはずよ。

自分は何もかわろうとせずに、「姑が意地悪言わなくなるようにならないかなー」とか、ましては絶対夫に告げ口して家族間の悩みの種を増やすなんてことは言語道断よ。

かちんと来た言葉には非常に丁寧に応対してみて

「このお姑さんひどいわねー」とか「気の毒ねー」とかなぐさめてもらって一時的に気がはれても、自分をかえなければ、また同じようなやりとりがが起こるわよ。そんなんで甘えててはだめ。思い方の力関係というのがあります。「あんなひどいこといって」と被害者意識でいるうちは自分が下。見下せばいいってもんではないけれど、勝ち負けでなく、あなた自身が大人になればいい。自分が勉強することで、相手もあなたを認めるようになるのよ。対応案の2番目。グッときたら極力相手に対して、非常に丁寧に応対してみるのよ。たとえば、今回のように「酢の物なんかばかり食べてるから…」と言われたら「おかあさん、本当にありがとうございます。私のからだをそんなに心配してくださって」とお礼を言ってみるのよ。不思議なもので、言葉に感情がついていってしまって、ほんとに感謝の気持ちがわいてくるのよね。で、言われた方の姑はまずはいつもと違うパターンに「あれ?なんか調子が違うぞ」って思うわね。

腹が立った言葉に対して、そのように応対するよう心掛けていけば、自然とあなた自身、感謝の気持ち、謙虚な気持ちが身についてきます。見える世界もかわります。こころの準備をして、次の姑の言葉を楽しみににするぐらいになりましょうよ。

命に対する謙虚な気持ちを忘れないで

ところでご質問の中の「子づくりにチャレンジ」という言葉には堀口先生も私もひっかかりました。堀口先生は「大体子作りはチャレンジするものではないし、セックスは楽しむものではないかな。子どもができればセックスは不要というのであればセックスレス夫婦の誕生だね。子どもを生み育てる事だけに専念し目標を持った男と女は、子どもが思春期に達した時に、子離れできるでしょうか?

夫婦になった女と男の生活を、もっとゆとりを持って楽しんで欲しいと思うなあ」とも。

私は「子づくり」という発想自体が不遜、思い上がっていると思いますよ。先言ったように私も子どもを流産した経験があります。経産婦の私は、「今度の子は何月何日に生まれてきます」などと豪語していたけれど、母親に「命について軽々しくいうもんじゃない」と叱られました。そして流産しました。あの時の私自身には「命」に対する不遜な気持ちがあったと思うからこそ、あえて言います。もっと命に対して謙虚になって。

くりかえしますが、日々の食べ物をどうとるかは人生そのものよ。自分が快適に暮らすために自分のからだをどうするのか?自分の自身の型紙で自分の生活をつくりましょ。

(2000.06)

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