ヤンババ登場

金澤直子:妊娠・子育て、本音で話そう

私のニックネームは「ヤンババ」です。20年来妊婦水泳や親子水泳を教えているのですが、ある時教え子がつけてくれました。若い妊婦の誰よりもはつらつとしているからですって。

親子水泳で教えていると赤ちゃんたちのかわいい笑顔は何よりの宝ですよね。大人たちのようにことばではなく、目や表情で語りかけてくれるの。これほどうれしい瞬間はないですね。ママと赤ちゃんをたくさん見ていると、こどもたちが元気に生まれ育つためには、製造元のママたちが生き生きしてなくちゃ、とつくづく思います。

7歳で妊婦水泳の道に入り、今は指導的立場になりましたが、毎週水泳教室のあと妊婦たちとお弁当を囲む昼食会では、彼女たちの生の声を身近に聞いてます。

初めてのお産を前に、例えば会社勤めでバリバリキャリアを積んできた人たちもつわりや陣痛に「こんなはずじゃなかった」なんて頭かかえこんでしまうこともあるようですね。

これまで2万人の妊婦たちと出会ってきた経験を生かしてこの場で発言していくことで、ベビカムOnlineに参加する妊婦のみなさんが「楽しい妊婦ライフ」を実現するお手伝いができればいいなと思います。

妊婦仲間をさがしましょ

妊婦のうちにやっておくことはいろいろあるけれど、まずは気の合った妊婦仲間をつくることが大切ですよ。

同じ時期にお産の予定の人たち同士って、リアルタイムで関心が共通じゃないですか。つわりのこと、食べたくて困ること、かゆみのこと、からだが重いこと、お腹の張りのこと、気になることを打ち明けあって共感しあえる仲間なんですよね。それから逆に、○○さんがあれだけがんばって食生活を整えているんだから、私もがんばらなくっちゃっていう励みにもなりますよ。

私ははじめての妊娠の期間を仙台の舎宅で過ごしました。同じ舎宅にいて一緒にお鍋を囲んだりした妊婦仲間とは今でもおつきあいがあります。さがしましょ。気の合う人。きっと今後の長い人生の中で苦楽を共にする大切な友達になるはずです。

ただし、相手のためにもなれる存在でないと友達づきあいは長続きしないですね。先日長年の友人の旦那様がなくなりました。旦那様は地位も名誉もある方でした。お葬式の時も多くの人が弔問に訪れました。でも彼女自身の心の隙間をうめるのとは別物。そんな時、私はおいなりさんをつくったり、便秘解消のおかずとしてひじきを煮たりして七日ごと、お線香をあげるごとにお弁当をもっていって彼女に食べてもらったんです。お葬式だからってその当日手伝うんじゃなくて(他にたくさんそれをしてくれる人はいるものね)、私じゃなきゃできないことをしにいきました。まあ、私の特長はお節介におかずがついてくるっていうことかしら。

あなたには、あなたなりの友達へのつくし方があるはずです。人から何かを得るだけが友達づきあいじゃないこと、心にとめておいてくださいね。「お互い様」という言葉がそれをあらわしているかもしれません。

まだまだいろいろ伝授するババの智恵はあります。次回は、ご近所のキーマンを探せ!のコツをお話ししたいと思います。

(1998.06)

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