高齢期の性/素朴な疑問Q&A(こうねんきのせいそぼくなぎもんきゅーあんどえー)


Q)70歳すぎても性欲があるのはおかしいの?


A)男性にも女性ホルモンが、女性にも男性ホルモンが分泌されていますが、女性ホルモン(エストロゲン)には、直接性欲をふやす作用はありません。性欲を起こすのは男性ホルモン(テストステロン)です。女性の場合、閉経後は女性ホルモンの分泌が減少し、男性ホルモンが優位になるため、性欲は変わらないか、あるいは強くなることがあるともいわれます。
「性欲があるのはへん」などと考えずに、セックスを楽しんでください。


Q)夫がバイアグラを使いたいといいますが、抵抗があります


A)バイアグラは、勃起不全症(ED)の治療に使われる薬です。EDとは、性交時に十分なだけの勃起が維持できないため、満足な性交渉ができない状態をいい、加齢とともにふえる傾向があります。
 バイアグラは、すでに日本でも承認され、医師の処方せんがあれば購入することができるようになりました。夫が、あなたとの性生活を楽しみたいと思っているのにあきらかにEDであり、そのことで深く悩んでいるようであれば、泌尿器科に相談してみるとよいでしょう。ただし、この薬は心臓疾患があり、ニトログリセリンを処方されている人は服用できません。ニトログリセリンと併用して服用すると、急激な血圧低下を起こして死亡することもあります。そのほかにも副作用がありますので、医師によく相談を。


Q)女性は何歳ぐらいまでセックスができるの?


A)日本性科学会のセクシュアリティー研究会が、40歳以上の女性約1000人に行った調査によると、セックスの回数は50歳代前半ころから減りはじめますが70~74歳の女性でも、1年間に数回程度セックスをするという人が12%いるという結果がでています。この結果からもわかるように、セックスは、心身ともに健康なら、年齢に関係なくすることができます。
 ただ高齢期になると、男女ともに健康面や体力面で問題のある人もふえ、さらに女性は性交痛があったり、男性ではなかなか勃起しないなど、いくつかの障害がでてきます。
 そのため、高齢期のセックスでは、挿入しなくても、性器をさわるだけやお互いのからだにふれるだけでも満足を得られるなど、スキンシップを楽しむカップルもたくさんいるようです。


Q)子宮が下がり気味だといわれました。セックスしてもだいじょうぶ?


A)おそらく子宮下垂のことでしょう。この病気は閉経後の女性に多くみられ、とくに65歳以上の女性の多くにみられます。
 子宮は骨盤から出ている靭帯や、骨盤底筋で支えられていますが、老化によって靭帯の力が弱くなったり骨盤底筋がゆるんでくると、支えきれなくなって子宮が下がってきます。これが子宮下垂です。出産経験のある女性で、出産の回数が多い人ほどなりやすい傾向があります。
 子宮下垂が軽い場合は、とくに性生活に支障はありませんが、そのままにすると、どんどん子宮は下がってきてしまい、手術が必要なこともあります。骨盤底筋を鍛えるトレーニング(尿失禁の予防)も役立ちますので、早めに婦人科を受診して相談しましょう。


Q)夫はセックスを要求します。私は腰痛がひどくて、したくないのですが……


A)腰痛などの持病を持ちながらのセックスは、つらいでしょう。がまんしないで、正直に夫に話してみることです。世の中にはプラトニックな関係で満たされているカップルもたくさんいます。こうしたカップルは、年代に合った性的なふれあいを楽しみながら愛情を伝えあっています。夫もきっとわかってくれるはずです。


Q)夫を亡くして10年。別の男性との恋愛はいけない?


A)老人ホームでも、パートナーを亡くした男女の恋愛があります。人を好きになるだけで、気持が明るく、前向きになれますから、「いい年をしてはずかしい」と思わないでください。
 ただ、「結婚」となると、財産の問題や子どもたちの反対など、もめることがあるようです。そのため、形式にこだわるよりも、お互いが満足できるおつきあいを選ぶ人も多いようです。

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