ハウスダストや台風による「せき」の予防法は?
子育て期(生後1歳7ヶ月~2歳)の相談
Q4372:ハウスダストや台風による「せき」の予防法は?
もうすぐ2歳になる娘が頻繁にせきが出るため、小児科で血液検査をしてもらったところ、ハウスダストのアレルギーがあることがわかりました。
先生いわく喘息ではないようで、夏から秋はハウスダストが増えるため、アレルギー対策に注意が必要とのことでした。
自宅でできる対策を教えてください。
また、台風や雨のシーズンになると、いつも以上にせきが出る気がします。
これもアレルギーと関係があるのでしょうか?
気管が弱くて、低気圧とかでせきが出やすいのでしょうか?
今回受診したのは小児科で呼吸器の専門ではないです。
子どもでも呼吸器内科などにかかった方が良いのかもあわせて教えてください。 2019-08-26 17:00

小さな子どもの喘息(ぜんそく)の診断は難しいことが多く、しばらく経過をみてから診断がつくこともよくあります。そういったグレーゾーンのお子さんのことも含めて解説します。
喘息(気味)のお子さんは気道の粘膜が過敏なので、さまざまな刺激が咳や喘鳴(気管支がゼイゼイ、ヒューヒューいうこと)の原因になります。代表的な原因がハウスダスト、ダニ、ペット、カビなどの吸入アレルゲンと言われるものです。気密性の高い住居でカーペットを敷いたり、エアコン・加湿設備が整えられたりすると、アレルゲンにとって好ましい環境になります。
どんな家庭でもアレルゲンを0にすることは難しいですが、量を減らせば発作は起こりにくくなります。適度に換気をし、本人が寝る部屋はカーペットを使わない、こまめに部屋の掃除をする、防ダニシーツを利用するなどが予防対策として挙げられます。掃除機は3日に1度はじっくり時間をかけて使うと良いようです。布団の上でジャンプして遊ぶなども咳発作の引き金になりますので注意しましょう。
また、台風を含めた気圧、気温の変化も咳や喘鳴の原因になることがあります。日常生活では、服装や冷暖房などの調節に気を配り、急激な気温の変化があったときはよく状態を観察するようにしましょう。
それ以外にも、たばこや花火、線香などの煙や、香水、接着剤、防虫剤などの臭気に反応することがあります。成人ではストレスが原因で喘息発作を起こすと言われますが、子どもでも、叱られて号泣したり、大声で笑ったりしたときに発作になることがあります。
それでも、子どもの咳や喘鳴のきっかけとして最も多いのはかぜをひくことです。気道が過敏な体質があると、症状が悪化やすく治るまでに時間がかかるので、咳が少し多くなってきたと思ったら早めに受診をして、気管支がゼイゼイしていないか確認してもらうことをお勧めします。発作の頻度が多い場合は、予防的な薬を使用することもあります。
まだ小さなお子さんは大人の呼吸器内科ではなく、アレルギーの子どもも診ている小児科を受診すると良いでしょう。
日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
先生のプロフィール
東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院小児科、愛育病院小児科などに勤務したのち、カナダのトロントに研究留学。帰国後は東大病院、山王病院、NTT東日本関東病院小児科などを経て現職。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。四女の母でもある。監修した『はじめてママ&パパの0~6才 病気とホームケア』(主婦の友社)では、新米ママやパパのために、最新の病気について分かりやすく解説している。
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