中耳炎って切開したほうが良いのでしょうか?
子育て期(生後10ヶ月~1歳6ヶ月)の相談
Q1243:中耳炎って切開したほうが良いのでしょうか?
10ヶ月になる子どもが中耳炎になってしまいました。先生によって切開するのかしないのか差があるとは思いますが、素人でも分かるようにメリット・デメリットを教えて欲しいです。 2016-06-27 12:20

中耳炎というのは、耳の奥の鼓膜の内側にある「中耳」という小さいお部屋に炎症が起こって、膿などの液体が溜まってしまう病気です。鼓膜を切開して溜まっているものを吸い出してあげれば、早く治ることが多いので、それが最大のメリットです。ただし、切開するためには動かないようにしっかりと押さえつけなければならないし、局所麻酔をしても多少は痛みを感じさせたり、不快な思いをさせたりしてしまいます。お子さんに対してそのようなストレスを与えてしまうことが、デメリットと言えるでしょう。また、一回切開すればもう中耳炎にならないわけではなく、特に小さいお子さんは中耳炎を繰り返すことが多いので、場合によっては切開を何度もすることになります。
中耳は鼻の奥と「耳管」という細いトンネルでつながっています。鼻の調子が悪くて、鼻の奥で炎症がひどくなると、そこから耳管を通して中耳に炎症が広がってしまって、中耳炎が起こります。中耳炎を治すためには、鼻の調子が良くなるための治療や、炎症が起こる元となっている細菌を抗生物質で退治する治療を、まず行います。これらの治療で良くならない、重症の中耳炎のお子さんには、切開を考えます。最近は中耳炎を起こす細菌に効きめのある抗生物質の種類が増えたので、薬の治療を工夫することで、なるべく切開をしないで済ませたいと考えるドクターが、増えてきているように思います。
喉頭科学、音声言語医学など、主にのどの分野を専門とするが、聖母病院で多くの乳幼児や妊婦さんの診療に長年携わり、現在に至る。

中耳は鼻の奥と「耳管」という細いトンネルでつながっています。鼻の調子が悪くて、鼻の奥で炎症がひどくなると、そこから耳管を通して中耳に炎症が広がってしまって、中耳炎が起こります。中耳炎を治すためには、鼻の調子が良くなるための治療や、炎症が起こる元となっている細菌を抗生物質で退治する治療を、まず行います。これらの治療で良くならない、重症の中耳炎のお子さんには、切開を考えます。最近は中耳炎を起こす細菌に効きめのある抗生物質の種類が増えたので、薬の治療を工夫することで、なるべく切開をしないで済ませたいと考えるドクターが、増えてきているように思います。
先生のプロフィール
平成元年に慶應義塾大学医学部を卒業。ジョンス・ホプキンス大学留学などを経て現職。慶應義塾大学客員講師、杏林大学非常勤講師。喉頭科学、音声言語医学など、主にのどの分野を専門とするが、聖母病院で多くの乳幼児や妊婦さんの診療に長年携わり、現在に至る。
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