生理が再開してしまっても母乳は増える?
子育て期(生後0~4ヶ月)の相談
Q4278:生理が再開してしまっても母乳は増える?
現在生後2ヶ月の子どもがいます。
生後1ヶ月の間は、授乳が上手くできず搾乳(30-60cc)+ミルク(40-70cc)をあげていました。
1ヶ月を過ぎた頃から直接吸えるようになり、現在は1日9-12回程度の頻回授乳に加え、1-3回程度ミルク(80-100cc)を足しています。
しかし、直接吸えるようになった数日後に生理が来てしまいました。
今から完母になるのは難しいでしょうか。基本、泣いた時だけあげていますが下記のような状況です。
・一回の授乳が40-60分程度
・1日に9-12回程度の授乳
・お昼頃から夜まで1-2時間置きに授乳する
・ミルクを足しても1時間後に泣き授乳する
・夜は5時間程度寝て、授乳後更に3時間程寝る
・体重は1日50-60g程度増加
泣かないときはミルクを足さないのですが、1日ミルクを足さずに済んだのは1回だけです。
2019-06-24 03:51

産後、搾乳やミルクを足したりしながら、授乳を軌道に乗せようと、ママはとても頑張ってこられたのですね。やっと授乳が軌道に乗った直後に、生理が来てしまったとのこと。でも、大丈夫。授乳量を増やすコツさえ覚えれば、混合栄養だった方でも3ヶ月以降から母乳栄養だけになる方もいます。
まずは母乳分泌の仕組みを説明しましょう。母乳の分泌を制御する代表的なホルモンとして、母乳を作り出す「プロラクチン」と、作られた母乳を分泌する「オキシトシン」があります。赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激によってオキシトシンが分泌され、プロラクチンによって作られた母乳をおっぱいから出す…という仕組みです。
プロラクチンには、排卵を抑制する作用があります。そのため、授乳中は生理が来ないことが多いのですが、母乳の授乳回数・授乳時間が少ない場合には、生理が再開することがあります。授乳している限り生理が来ないと思っているママもいるようですが、実際には授乳中に生理が再開することは少なくありません。
今回、産後2ヶ月で生理が再開され、今後の母乳分泌量が心配とのこと。2ヶ月で生理が再開した理由で考えられることとして、直接おっぱいを吸わず、搾乳中心であったため、母乳を作り出すプロラクチンが分泌されにくくなり、排卵を抑制できずに排卵が起こって生理が再開した可能性があります。
血液中のプロラクチン濃度は乳頭が刺激されるごとに上昇し、1日8回以上授乳していると次の授乳までに濃度が低下するのを防ぐことができると言われています。また、プロラクチンは夜間に多く分泌されるので、夜間の授乳は大切です。
生理が始まってからもなるべくミルクを足さずに、母乳育児を継続することが大切です。お子さんの1日の体重増加量から判断すると今の授乳量は充分足りていると思いますので、まずは直接吸わせることを中心に行ってください。
先生のプロフィール
聖母病院(東京都新宿区)勤務。いつも妊婦さんの気持ちを大切に、優しく、ときには厳しくコミュニケーションしている。「相手の立場に立った、わかりやすい相談」がモットー。妊娠・出産・育児に不安を感じる妊婦さんたちを、安心に導くかたわら、近年は妊娠からの食育の提案する活動(妊娠食育研究会)、メンタルヘルスの支援、高校生の性教育にも積極的に取り組んでいる。-
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