虐待を止められない
子育て期(生後3歳~)の相談
Q3519:虐待を止められない
助けてください。
叩かれることを覚悟で相談させてください。
3歳の息子がいます。
毎日怒鳴って叩いてしまいます。
言ってもきかない、物を口にする、手づかみで食べる、夜はキャーキャー奇声をあげる、妹(0歳児がいます)を叩く、水道を勝手にいじり、今朝は自分と妹の髪を濡らしていた…こう書くと大したことはないのでしょうか?ただ私にとってはどれも続くと我慢出来ず、最初は優しく、段々強く言って、それでも聞かないと『テメー殺すぞ』、『死ね』と言ってビンタや頭を叩きます。最近では2回目くらいからブチ切れてしまいます。
3歳ってこんなものですか?私の我慢が足りないのでしょうか?感情のままに切れるのをやめたいです。子供はかわいいです。だけど切れてしまいます。これって虐待ですよね?
私しかいなければママ、ママってきますが、パパがいる時はパパじゃないとダメです。
出来たら専門家の方の意見もききたいです。3歳のお子さんがいる方、またはお子さんが3歳のときのお話を聞かせてください。そしてママが切れないアドバイスがありました書き込んでください。厳しい意見も受け止めます。お願いいたします。
2018-06-14 08:55

言うことを聞かない3歳の息子さんにほとほと疲れ果て、親御さんの気持ちのコントロールが難しくなっている、というご相談ですね。
日々、本当に大変だと思いますし、そんな中でよく相談してくださったと思います。
結論から言うと、あなたが書かれたことは、3歳の男の子の、ふつうの行動ですし、3歳の男の子の母親の、ふつうの反応だと思います。確かに、男子と女子で違う、子どもによっても性格が違う、ということはありますが、2~3歳児の行動というのは、だいたいこんなものだと思いますし、特に育て方が悪いのでもなければ、お子さんが特別わがままなのでもないと思います。
ついつい子どもにキレてしまう、というのは、逆に言えば「親御さんがそれだけ子育てをがんばっている」証拠だと思います。
3歳の子どもは、まだ、やっていいことといけないことの区別が十分につきませんし、教えてもなかなか理解することができません。この時期の子どもの仕事は「自己主張と、探索行動」、自分の気持ちを表現すること、そして好奇心にまかせてさまざまなものに手を出すこと。それが親にとっては、かんしゃくだったり、わがままだったり、ちっとも言うことをきかない、というふうに映るのですが、しかし子どもにとっては、これも成長のプロセスなのです。
そして、こういう悩みは実は年齢とともに自然に解決するし、今こうだから、将来大変だ、ということはありません。4歳をすぎると、だいぶ理解もできるようになりますし、少しずつ指示も聞けるようになります。
ただそれでも、今を何とか助けてほしい、4歳まで待てない、というのも本心ですよね。そこで、こういう時に、大切な心がけを3つ紹介したいと思います。
1)あまりにもこちらがカーッと来た時は、いったんその場を離れて、一呼吸おく。
▶トイレにいって、しばらく深呼吸するとか、キッチンにいって、水を一杯のむとか、窓をあけて外の空気を吸うとか、です。10秒、間をおくだけで、少し冷静になれたり、「どうしてこんなに怒っていたんだろう」と思えることがあります。
まず気持ちをリセットして、クールダウンしましょう。
2)人の助けを借りる。
▶ついついキレてしまうのは、すでにお母さんの身体とココロのキャパを超えてしまっているからです。夫や祖父母に電話して、気持ちを聞いてもらいましょう。それが無理なら、地域の子育て支援センターや保育園の先生など、信頼できる人に電話して話を聞いてもらいましょう。
きっとあなたの頑張りを認め、ねぎらってくれる人がいるはずです。
3)子どもに対する要求水準を下げる。
▶私たちは、ついつい「もう〇歳なんだから、できて当然」と思ってしまいます。しかし、まだまだ3歳なのです。この世に生を受けてまだ3年、できなくて当然なのです。それをすべて「できて当たり前」と思ってしまうと、腹が立ってしまいます。
そうではなく、「できなくて当たり前」と考えてみてはどうでしょうか。親だってそうだと思います。子どもができたら、その日から親になりますが、「このくらい親なら知ってて当然」「親ならやっていて当然」と言われるとつらくなることありますよね。そうではなく、「いやいや子どもが1歳なら親も子育て1年生。分からないこともあるよね。だから親も、子どもと一緒に少しずつ、成長していけばいいんだよ」と言ってもらうと、少しほっとする部分があります。
きっと子どももそうだと思います。
あまりにもつらい時には、決して自分一人で抱え込まないで、だれでもいいから、話を聞いてもらいましょう。そこから、さまざまな解決の糸口が、見えてくると思います。
これからの子育てを心から応援しています。
病院での診療のかたわら、子育て支援を強く提唱し、年100回以上の講演を実施している。著書である『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)は、シリーズで450万部超。
先生のプロフィール
京都大学医学部卒業後、国立京都病院内科、名古屋大学付属病院精神科を経て現職。児童相談所嘱託医、スクールカウンセラー、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。病院での診療のかたわら、子育て支援を強く提唱し、年100回以上の講演を実施している。著書である『子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版)は、シリーズで450万部超。
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