全前置胎盤って。
妊娠後期(5~9ヶ月)の相談
Q1643:全前置胎盤って。
現在妊娠8ヶ月です。
妊娠5ヶ月に入った頃に出血があって仕事を休むように言われました。
その時は復帰するつもりだったのですが、その後胎盤が上がらず、再度出血もあり、仕事も保育士で身体を動かさざるを得ない内容なので結局休職することになりました。
先日病院で全前置胎盤と言われ、安静にするように言われたのですが、実際のところどのくらい安静にするべき⁉︎どのくらい動いて良い⁉︎のでしょうか⁇
なんだか自分自身は体調が悪い訳ではないので、どうすれば良いのかわからないです。 2016-08-28 14:12

妊娠8ヶ月の全前置胎盤で、胎盤の位置と内子宮口との関係、「再度出血」の程度など、ご相談の内容からだけではわからないところがあるので「安静度」の質問に適確には答えられないのですが、お答えできる範囲で回答しますね。
1)「安静」を必要とする理由。
妊娠が分娩予定日に近づくに従って、内子宮口のあたりの子宮壁は柔らかくなり、お産の準備が始まります。内子宮口の方から、少しづつ開いてきます。 胎児が大きくなりその重さが内子宮口にかかることや子宮の収縮が少しづつ始まることも、内子宮口が開いていく原因です。この開きやすさに、個人差があるのです。この個人差が悩ましい問題で、前置胎盤の経験者に尋ねても、いろいろな返事が返ってくることになるのは、このためです。
妊娠の経過が進むに従って、体を動かした時に子宮が収縮しやすくなります。 そのために、全前置胎盤の方が動くたびに出血が見られることがあるのです。
しかし、これも個人差があり、分娩予定日を過ぎた人が皇居を一周したけれど、やはり陣痛が始まらなかったということもありました。このような方でも、出血しないとは言い切れません。
2)なぜ出血してはいけないのか。
出血すると、貧血になるということもあります。しかし妊娠中でしかも、前置胎盤の場合は出血が止まらなくなった時には、妊娠の継続を諦めなければならないことがあるから、出血してはいけないのです。6ヶ月でも、8ヶ月でも分娩予定日の2週間前まで来ていてもです。全前置胎盤の場合は、胎盤が子宮口を塞いでいるので、当然の事ですが帝王切開になります。
次は肝心の「安静の度合い」についてです。
3)どの程度の安静が必要か。
出血して、「安静!」となったら、横になってください。それで止まったらトイレくらいは行ってもいいでしょう。
出血の色は大事です。真っ赤なら、今も出血が続いているということです。茶色、褐色、黒褐色、と黒っぽくなるに従って出血が止まってら時間が経っていることを示します。
でも出血が止まっても、また出血が始まることもあります。この出血を繰り返すようだと、止まらなくなることがあるので、3回目4回目となったら安静度は厳しくなります。しかし、頻度から言えば、騙し騙しなんとか妊娠を継続することが多いようです。
最後に、妊娠28週、30週と週数が進むほど赤ちゃんは、お母さんの子宮から出てきても元気度が進みます。気持ちとしては「あと2週間もたせよう」「あと2週間なんとか」と頑張ってください。
先生のプロフィール
元愛育病院院長、元東京大学医学部講師。妊婦が安心して、自分が納得のいくお産をするために、のべ4万人という妊・産婦をあたたかく見守ってきた。「妊婦のことを親身になって考えてくれる」と評判が高い。JR四ツ谷駅前の「主婦会館クリニック からだと心の診療室」(主婦会館プラザエフ4F)元院長でもあり、女性のからだと心を両面からサポートしていた。著書に『あなただから だいじょうぶ』(赤ちゃんとママ社)、『改訂版 夫婦で読むセックスの本』(電子出版)など。-
キーワードを入れて、その他の相談を検索!