
Q.神経芽細胞腫、再検査と言われ不安です
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●神経芽細胞腫のスクリーニング検査はなぜ始まったのか神経芽細胞腫は、赤ちゃんのおなかの中の神経節に発生する小児がんの一種です。子どもの悪性腫瘍の中では白血病に次いで多く、進行した場合には、極めて悪性の腫瘍です。しかし、1歳未満の赤ちゃんの場合、治療によって完治する場合が多いことから、スクリーニング検査が始められました。●乳児の4000~5000人に1人の割合で発見生後6ヶ月のマス・スクリーニング検査が開始されてから約20年が経過しています。その当時、スクリーニング開始前の神経芽細胞腫の自然発生率は、出生1万あたり1人と推定されていましたが実際の患児はもう少し多く、検査を受けた乳児の4000~5000人に1人の割合で発見されています。●神経芽細胞腫スクリーニング検査の現状これまでスクリーニング検査で見つかった乳児期の神経芽細胞腫は、発見しだい手術により摘出していましたが、最近では、自然に小さくなったり、完全に消えてしまう場合もあることが知られてきたため、必ずしも「発見、即手術」ということではなくなってきました。また、スクリーニング検査には限界があり、全ての神経芽細胞腫を見つけることはできませんし、検査を受けた時には正常であっても、後から神経芽細胞腫が発見されることもあります。また逆に、スクリーニング検査を受けた時に検査値が正常値より高いにもかかわらず、精密検査を受けても神経芽細胞腫ではない場合もあります。そのため、より正確なスクリーニングを行なう必要から、検査を3~4回繰り返して実施される赤ちゃんもいます。そのため、開始当初は小児がんのスクリ-ニング検査として世界的にも画期的な検査だと考えられていましたが、今では見直しが必要ではないかと言われています。検査の意味するところを理解していただき、万一陽性となっても、あわてずに対応してください。
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▼ 加部 一彦先生のプロフィール
埼玉医大総合医療センター新生児科教授、小児科医。新生児集中治療室(NICU)で、主に早産のために小さく生まれたり、生まれてすぐに何らかの病気をかかえ、入院となった赤ちゃんのお世話を生業としている他、医療安全や病院建築など幅広い領域に関心を持って活動中。すでに社会人となった3人の息子達とはSNSで情報交換したり、時には飲みに行ったりと、「オトナの付き合い」ができる様になった事を喜んでいる。著書に『新生児医療は、いま』(岩波書店)、『障害を持つ子を産むということ』(中央法規出版)など。
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